◇インタビュー企画「キーマン直撃」

シーズンの鍵を握る選手へのインタビュー企画「キーマン直撃」。
今年2回目に登場するのはダヤン・ビシエド内野手(32)だ。
頼れる来日6年目の主砲は、交流戦で中日歴代トップとなる打率4割9厘をマークし絶好調。
今季限り3年契約が切れる去就に関しても言及し、家族一丸のドラゴンズ愛を強調した。(聞き手・志村拓)

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 ―交流戦で優勝を争った中で、ビシエド選手は打率4割を超えた

 ビシエド「交流戦の結果には、とても満足しているよ。自分自身でもいいスイングができている感触があったし、シーズンが開幕して進むにつれて自分のスイングができるようになったのは、日々の練習の積み重ねだと思う」

 ―交流戦前から、自己最長の20試合連続安打

 「連続というのは、考えないようにしていた。開幕してからも決して悪くはなかったけど、4月にケガで少し戦列を離れてしまったのもあって。戻ってから追加で打撃ケージに入って、左手一本でフォロースルーを取る自分のスイングを確認し、取り戻せた」

 ―対戦の少ないパ・リーグの投手相手で意識していたことは

 「自分で映像を見たりもするけど、やはり自分でバッターボックスに入って見るボールとは違う。なので、あまり考えすぎずに自分の打席での感覚を大事にして。狙っているストライクゾーンに来たら打つというシンプルな考えで、対戦できた」

 ―5日のオリックス戦では今季初めて1試合2本塁打。シンプル思考が実った

 「もちろん、スコアラーに用意してもらったデータも参考にしながらだけど、あの試合は高めに浮いたボールをうまく仕留められた。いい形だったよ」

 ―同じキューバ出身のリナレス巡回コーチの存在も大きい

 「もちろん、どのコーチにもサポートしてもらっているけど、リナレスコーチは二人三脚でいつもそばにいてくれる。細かい技術的な部分もすぐに気づいて、言葉をかけてくれるのでとても感謝している。キューバのレジェンドの支えは大きいよ」

 ―大事にしているアドバイスは

 「重視するポイントは『どうやっていいスイングをするか』というところ。自分らしいスイングを見直す中での力みを、すぐに見抜いてもらって『リラックスして』と。同じ2016年からドラゴンズのユニホームを着たこともあって、グラウンドの外でもコミュニケーションを取ってくれている」

 ―グラウンドの外といえば、コロナ禍で大変な中で家族の支えも大きい

 「やる気の一番のもとだね。帰宅すると子供たちは寝ていて、起きると学校に行っているという日も多いけど…。すれ違う日々で父親としての苦労も多いけど、家族全員、名古屋でのびのびと暮らしているのが何より安心できる」

 ―今年から長男ジュニア君(12)がドラゴンズアカデミーに、長女ダヤナちゃん(7)はチアドラゴンズOGのダンス教室に。まさにドラゴンズ一家になった

 「ドラゴンズ一家、本当にそんな感じだね(笑い)。長男はアカデミーで日々成長して、野球も少しずつうまくなる姿がとてもうれしい。長女もいろいろな経験をさせてもらっている。ドラゴンズが、家族の生活の大切な部分になっていると思う」

 ―少し先の話になりますが、3年契約の最終年。可能な範囲で今後への思いを

 「今はとにかく、シーズンをしっかり終えること。自分も家族も、ドラゴンズが大好き。ファンのサポートも素晴らしいし、ドラゴンズに残りたいという気持ちはもちろんある。ただ、球団からオファーしてもらえないことには始まらない。そういう意味でもしっかり成績を残したい。それで残留できれば、一番いいと思っている」

 ―チーム3冠(打率3割1分2厘、9本塁打、33打点)として、再開するリーグ戦でも期待は大きい

 「交流戦でピッチャーが頑張る中で、チームの状態が良くなっていった。もちろん、自分も調子をキープしてこの勢いで、最後までいきたい。勝って最後はプレーオフ、そして頂点にたどり着けるように力強く戦いたいね」
https://www.chunichi.co.jp/article/272569
引用元:中日新聞