0001豆次郎 ★
2021/06/14(月) 18:55:31.71ID:CAP_USER9ノバク・ジョコビッチ(セルビア)が勝つにはフルセットしかない。あと3セット、ひとつも落とせない。少しでも気を抜いてサービスゲームを落とせば、それが命取りになる。おびえたり、硬くなったりしないのだろうか。遠い前途に絶望し、投げ出したくはならないのだろうか。凡人にはそんなことしか思い浮かばない。
凡人には限らないのかもしれない。状況は異なるが、カレン・ハチャノフ(ロシア)との2回戦でセットカウント1-2と追い込まれた錦織圭は「魂が抜けた」と話している。
「3セット目を取られて呆然としていた。(勝つためには)また5セットを戦うのかっていうのと、『戦いたいか』って自分に問いかけたときになかなか答えが出なかったので。魂が抜けたというか、つらかった」
フルセットに強い錦織でさえ、そんな心境に陥る。それが土俵際の恐ろしさだ。錦織は1-2だったが、ジョコビッチは0-2、しかも第2セットはアンフォーストエラーを連発し、本来の姿からほど遠かった。内輪話で恐縮だが、速報を書く記者は「ジョコビッチ敗れる」の見出しを想定して準備を始めるタイミングだった。
前置きが長くなってしまった。0-2となったときの、ジョコビッチの心の内側の話である。ジョコビッチは記者会見で最初にこう述べた。
「第2セットは、肉体的にも精神的にも少し落ちてしまった。少し疲れてしまい、このセットは彼に支配された。そうして、ロレンツィオ・ムゼッティ(イタリア)との4回戦で2セットダウンしたときと同じように、コートを離れ、別の選手になって戻ってきたんだ。リフレッシュして、第3セットでは早い段階でブレークすることができた。振り抜きが良くなって、勢いは僕の側に移った」
チチパスもまた「別の選手と対戦しているような気がした」と話している。ウェアも着替え、「リフレッシュした」のは分かるが、どう切り替えたのか、この言葉だけではまだ彼の心の中に踏み込めない。
コートを離れた数分間について重ねて聞かれたジョコビッチは、内面と対話したことを明かした。
「正直、僕は声に出して自分に話しかけるということをしてこなかった。自分との会話は頭の中だけで済ませていた。でも、今回は……。自分の中にはいつも2つの声がある。ひとつは『自分にはできない、もうおしまいだ』という声。その声は第2セットのあと、かなり強くなった。そこで僕は、もう一つの声の方を実際、声に出し、『もう無理だ』という最初の声を押さえ込むべきだと感じたんだ。『できるぞ』。僕は自分にそう言い聞かせ、自分を励ました。その言葉を心の中で繰り返し、全身を没入させようとした。第3セットに入ってからは、特に最初の数ゲームで自分の出来が確認できたので、よりポジティブで、より励みになる第2の声に支えられてプレーできた。そこから迷いがなくなった」
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