産声も聞けないのに、陣痛を起こして亡くなった赤ちゃんを産む。 壮絶な死産を経験した家族が悪気のない励ましでさらに傷つくことも少なくない。AERA 2021年6月21日号は当事者や専門家に死産直後の心身の状況について聞き、赤ちゃんを失った家族を傷つける言葉を掲載している。

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 4月に妊娠を公表していたタレントの南明奈さん(32)が8日、死産したことを公表した。自身のインスタグラムに、夫でお笑いコンビ「よゐこ」の濱口優さん(49)と連名で、「ご報告がございます。私達夫婦に授かった命は、空へと戻りました。約7ヶ月という時間でしたが、私達家族は幸せでした。皆様から頂いた祝福の言葉が子どもの生きた証です」などと記した。

■善意の暴力でいっぱい

 インスタグラムには公表から1日余り経った9日夜までに約7500件のコメントが書き込まれた。どれも南さんの悲しみに寄り添い、励まそうとする内容に見えるが、5年前に妊娠7カ月で死産した東京都内の女性(42)は「善意の暴力でいっぱいで見ていられない」という。

「『忘れ物を取りに戻っただけ』『また授かるよ』『前を向いてね』とか、私も周囲から言われ、ナイフのように心に突き刺さりました。なぜお空に帰ったのか、あの子の気持ちを知りたくて苦しんでいるのに勝手に代弁されて嫌だったし、次の子の話は亡くなった子が無視されているようでつらかった。心身に大きなダメージを受けているということをもっと想像してほしい」

 死産とは妊娠12週(4カ月)以後に、おなかの中で亡くなった赤ちゃんを出産することだ。南さんがどのようなお産だったかはわからないが、現在も多くの死産は人工的に陣痛を起こして産む。産声を聞くことができないのに、痛みと悲しみに耐えながら出産し、産後の体が回復しないまま葬儀の手配や役所への死産届の提出など手続きに追われ、火葬場で小さな骨になったわが子を拾う。確かに命は存在したのに、戸籍にも残らない。

厚生労働省の人口動態統計によると、2019年の死産数は1万9454。出生数は86万5239なので、2・2%、約50人に1人が死産だ。妊娠22週以降の死産の原因をみると、赤ちゃん自身の病気は2割強。そのほかは常位胎盤早期剥離やへその緒のトラブル、感染症などで、25%は原因不明で、予測がつかず、突発的に起きることが多い。

■誰にでも起こる可能性

 自身も子宮内胎児死亡の経験のある産婦人科医の藤田聡子さん(くすの木レディースクリニック北千住院長)は言う。

「赤ちゃんを亡くし、自分を責めてしまう方はとても多いです。私自身も『もっと健康的な生活を送っていたら助かったのではないか』と思ったことがありました。でも、まず関係ない。誰にでも起こる可能性があります」

 千葉県内の女性(40)は6年前に死産して以来、芸能人が妊娠を公表するたびに「出産まで何が起こるかわからないのに、大丈夫か」と考えるという。

 赤ちゃんを亡くした家族への心の支援を啓発する「Angie」共同代表の小原弘美さん(42)は、自身も41週で死産した経験から、こう話す。

「死産直後は出産後の体力低下もあり、心身の苦しさは壮絶なものでした。そんな時期は、どんな励ましの言葉も傷を深めることが多く、前を向こうとするだけで苦しい。特に、有名であるほどたくさんの言葉をかけられ、苦しさが重なると思います」

 この時期に大切なのは「十分に悲しみ切ること」だという。

「悲嘆と向き合い、受け止めていくためにも、周囲の人は、本人の気持ちに寄り添い、亡くなった子の存在も認めてほしい」

全文はソース元で
https://news.yahoo.co.jp/articles/29a754e9e57d2dd0dd3005e618ed723ac6cb76a7

★1 2021/06/12(土) 12:25:00.06
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