デイリー2021.06.10
https://www.daily.co.jp/baseball/2021/06/10/0014404155.shtml

「全日本大学野球選手権・準々決勝、慶大5−3関学大」(10日、神宮球場)

 関学大が慶大に敗れ、準優勝した1959年以来62年ぶりの4強進出とはならなかった。

 今秋ドラフト上位候補の最速151キロ左腕・黒原拓未投手(4年・智弁和歌山)が中1日で先発したが、5回4失点と踏ん張り切れなかった。初回、いきなり味方の失策でランナーを背負うと、1死二、三塁から同じくドラフト候補の4番・正木智也内野手(4年・慶応)の犠飛と5番・福井の中前適時打で2点を先制された。二回以降は立て直したかに見えたが、2−2で迎えた五回に四球、右前打、左前打で無死満塁のピンチを招くと、正木に死球を与えて押し出し。さらに、福井の右犠飛で2点を失った。

 試合後、「疲れが残っていたとかはマウンドに上がった以上、言い訳でしかない。単に自分の実力不足で負けた」と猛省した左腕。「立ち上がりの悪さや抜け球が多く、安定感に欠けると感じた。僕としては1位じゃないと意味がない。1番になれるようやり直して秋戻ってきたい」と自身に課題を課した。

 それでも、阪神の畑山統括スカウトは「大崩れもしてないし、全国で彼らしい投球も見られた。秋までしっかり見ていきたい」。ヤクルト・橿渕スカウトグループデスクも「うちの石川に似た配球をする。あれだけのボールの強さと緩急があれば上位で呼ばれると思う」と評価を変えることはなかった。

 打線は二回に7番・佐藤のソロ、四回に3番・大谷のソロで追いつき、3点ビハインドの七回に1番・中隈のタイムリーで1点を返したが、複数得点を挙げることができなかった。