【あの人は今こうしている】

山本和範さん(63歳/元プロ野球選手)


 野球ファンからは“不屈の男”と尊敬の念で呼ばれた。一時、登録名をカズ山本にしていたこともある、80〜90年代を代表する名スラッガーだ。だが野球人生は波瀾万丈。2度の戦力外通告を受けながらその都度復帰し、努力を重ねて2億円プレーヤーに輝いた。オールスターMVP2回、プロ最終打席で決勝本塁打を放ったのも話題となった。球界に大きな足跡を残して引退は99年。さて、今どうしているのか?

「ここの館長に就任したのが2001年11月16日の開館時でしたから、今年で丸20年になりますね。非常勤ですが、イベント前と開催時のマスコミ対応、スポンサー企業への挨拶、そして小学生を対象にした野球教室開催。子どもたちを教えるのは、本当に楽しいし元気をもらえます。アハハハ」

 山本さんに会ったのは福岡県北九州市。JR鹿児島本線・黒崎駅に隣接する市立「子どもの館HOW!?」の館長室だった。

「本当は今月29日にも3月に続き野球教室を行う予定でした。でも12日、福岡県内に緊急事態宣言が出たものですから、施設自体が今月末まで休館。残念ながら、教室もしばらくお預けです」

 そもそも館長に就任したきっかけは?

「当時の市長にお願いされたんです。『子どもの施設を新しく造って黒崎地区の町おこしをするから、手伝って欲しい』って。その時、目標は年間来場者30万人と言われました」

 山本さんの故郷は北九州市小倉。プロ野球現役時代に、児童養護施設の子どもたちを球場に招待したり、阪神・淡路大震災の際には多額の義援金を贈るなど、積極的に社会貢献してきたことが高く評価された。

 名物は夏休み中のイベントだ。2年前は、マジックショー、シャボン玉ショー、工作教室などが連日開催された。

「その前には、北九州市出身のレジェンドスポーツ選手、例えばマラソンのメキシコ五輪銀メダリスト・君原健二さん、女子バレーボール日本代表でエースアタッカーだった横山樹理さんをお招きしたり、女子バドミントン・ロンドン五輪代表の潮田玲子さんのユニホームを展示したこともあります」

 その甲斐あって3年前には当初目標の2.7倍、年間81万4000人超がやって来る市内屈指の施設に成長した。

「常勤スタッフがいろんなアイデアを出し合い、頑張ってくれてるんです。ところが去年は15万8000人ちょい。新型コロナは一日も早く収束して欲しい」

 他には、福岡ソフトバンクが設立したホークスジュニアアカデミーの北九州エリア担当のコーチもしている。

「ジュニア世代のレベル向上、発掘……。野球の啓蒙活動の一環です」

 また、吉本興業に所属するタレントでもある。

「スポーツ番組のコメンテーター、イベントのゲストや講演会の講師などのマネジメントをお願いしています。バンジージャンプとか火の中に飛び込む企画でなければバラエティー番組もOKです」

■プロ最終打席で決勝ソロ

 現役時代は勝負強さで定評があった山本さん。オールスターには5回出場し、86年(南海)と96年(近鉄)のそれぞれ第1戦でMVPを獲得した。

「86年は2安打、96年は代打で逆転3ランが決め手に。惜しかったのは86年の第2戦。先制のソロを打ったんやけど、逆転された後に西武のルーキー・清原(和博)が同点ソロを打ってMVP。あの時、MVPを取れてたら史上初の2戦連続やったのに……。やっぱり清原は“持っとる”んよ(笑い)」

5/24(月) 9:06
配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/4bede7923d7e4ff464f1422f91be1e6b05525110

https://i.imgur.com/9BnYwvu.jpg
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https://npb.jp/bis/players/51253861.html
成績

https://youtu.be/89T3NtOSpeU