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小学校に続き、4月に入学した中学校も登校しない意思を示した「不登校YouTuber」のゆたぼん。その父で心理カウンセラーの中村幸也氏が、次期衆議院議員選挙への出馬を表明したことは大きな話題を呼んだ。

中村氏は17日に自身のブログで、「次期衆院選で立候補することを決めました」と報告。「不登校の子どもの数は年々増えており、2017年は14万人だった小中学校の不登校者数が2018年には16万人に、2019年は18万人となっています。不登校になる理由もイジメなどだけでなく、多様化しており、学校という場所に合わない子どもたちも増えてきているのです。そんなふうに『学校に行かない道を選択した子ども』が学べる環境を整えていくことはとで大事なことだと思っています。ゆたぼんのように学校に行かない選択をした子どもを持つ親として、メッセージを伝えつつ、多様な学びの機会を得られる国づくりをしていく所存です」と綴った。
中略

今回の中村氏の衆院選出馬に、ツイッター上では「義務教育だから学校に行けという世間の声が多い中で、実際に学校に行くべきかは置いといて、息子の意見を尊重すると堂々と公共の場で言えるのは父親の本来のあるべき姿だと思う。いい政治家になる気がする」と賛同する意見も見られるが、別の見方も。

小学生の次女が不登校だという千葉県内に住む40代の母親は中村氏の考えに共鳴できないという。「うちの娘は人間関係がうまくいかず、学校に登校していません。でも学校に行きたい気持ちがあるんです。そういう子供はたくさんいると思います。ゆたぼんやお父さんみたいに、不登校の自由を高らかに宣言して『不登校の親子の気持ちを代弁している』みたいなスタンスですが、味方だと思っていません」と語る。
そして、「私は義務教育を否定しないですし、娘も学校で友達が欲しいと思っています。ただ今は充電期間として学校を休んでいる。不登校の親子がみんな、ゆたぼんとお父さんの生き方に共感しているとは思わないで欲しい」と訴えた。衆院選に出馬を表明した中村氏。その教育論は国民の支持を得られるか。(梅宮昌宗)