5/19(水) 16:29
デイリースポーツ

井岡一翔は処分なし 大麻はB検体で不検出、禁止薬物は検体腐敗の影響か 手続にも不備
 井岡一翔
 ボクシングWBO世界スーパーフライ九王者の井岡一翔が、昨年12月31日の田中恒成との試合時に受けたドーピング検査について、日本ボクシングコミッション(JBC)は19日、倫理委員会が井岡がJBCの諸規則に違反したり、刑罰法規に抵触する行為を行ったとは認定できないとする結論を発表した。JBCはこの倫理委の答申を受け、井岡側には処分を行わないことを発表した。

 19日にJBCが結論についての会見を開いた。当該試合で選手から採取された尿は「A検体」と「B検体」に分割された。大麻が検出されたというA検体の検査は偽陽性の疑いが強いと結論づけたことが明かされた。まず、A検体で行われた検査は簡易検査のため確定的な結論を出せないこと、またB検体で大麻に対象を絞った検査を行ったところ大麻は不検出だったことが理由とされた。

 なぜ偽陽性となったかについては、可能性として12月31日から1月5日まで検体を冷凍保存しなかったことによる腐敗の可能性も指摘された。

 また、禁止物質のエフェドリン、フェネチルアミン、チラミンが検出されたとするB検体についても、腐敗によって後から産出されていた可能性があり、尿を採取した時点では上記の3成分が存在したことを認定することは困難とした。

 さらに、警察に通報したことを契機に、押収されたB検体が全量消費されてしまい、井岡側からの要請による再検査も行えないという、手続き上の瑕疵(不備)があることも倫理委から指摘された。

 倫理委はJBCとの間に利害関係を有しない外部有識者で構成されている。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/d1da4677f8392f3c3b0cc7700e54b2858e77785e