「選手のことを考えたら、絶対に入ってほしくないよね」

 時代を切り拓いてきた男が熱く語った。

 28年ぶりに世界への扉をこじ開けた1996年のアトランタ五輪、日本が初めてワールドカップに出場した98年のフランス大会で主力を担った元日本代表FWの城彰二氏が、自身のYouTubeチャンネル「JOチャンネル」で、五輪のオーバーエイジ枠(以下、OA枠)には「断固反対」と持論を述べた。

 OA枠が導入されたアトランタ五輪では、結果的に採用されなかったが、当時を振り返って城氏は「反対。俺たち選手は予選を戦ってきて、苦しい思いをして、みんなで勝ち取ってきたのに、いきなりパッとオーバーエイジが3人入ってきて、3人はレギュラーじゃなくなるんだよ。ふざけんなって話でしょ」と力説。

 サッカーの最も大きな大会はワールドカップであるとすれば、23歳以下という基準のあるオリンピックは「育成でいいと思う」。そこにOA枠が採用されれば、23歳以下の選手がその分、世界の舞台を経験できなくなることには否定的な見解を示す。

 すべては「ワールドカップで優勝するために頑張っている」という考えが根底にある。「だから、俺はオーバーエイジは絶対反対」「選手のことを考えたら、絶対に入ってほしくないよね」と言葉に力をこめる。
 
 その他にも、OA枠が採用されることの難しさ、世界レベルでの真剣勝負ができることの重要さ、東京五輪開催の是非など、あくまでも「いろんな意見があると思う」としながら、実体験に基づいて自らの考えを包み隠さず語った。

https://news.yahoo.co.jp/articles/3fd290116abc6425d8bff65e176f3048a33fdbd7
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