伝説の男≠ノなってしまうのか――。巨人の新助っ人、エリック・テームズ外野手(34)の去就を巡り、球団内の意見が割れている。右アキレス腱断裂の重傷を負った大砲は今季中の復帰が絶望的で、1年契約のためこのまま退団となる可能性も浮上。だが、新型コロナ禍による海外スカウト活動の難航や同情論も根強いのも現実で、オフには球団首脳も難しい選択を迫られそうだ。

 巨人は阪神との首位対決を1勝2敗で終え、18日から4位の広島を本拠地・東京ドームで迎え撃つ。ただ、チーム事情は万全とは言い難い。

 原監督が13日に発した言葉からも苦悩がにじみ出た。「胸を張ることはないにしても、我々はいろいろな状況下の中で、今の勝率で、あの位置でよくいるな、いてくれなというのが僕の印象ですよ」

 開幕から誤算の連続で丸ら主力4選手が新型コロナの陽性判定を受けて一時チームを離れ、主将の坂本とエースの菅野が相次いで故障に見舞われた。守護神のデラロサを欠く中でも、17日時点で勝率6割、リーグ2位をキープしている。

 そして、もう一つの誤算がテームズの長期離脱だろう。一軍デビューした4月27日に右アキレス腱を断裂。手術とリハビリなどのため、すでに帰国し、今季はほぼ戦力として見込めない状況となってしまった。メジャー通算96本塁打を誇る大砲は、推定年俸1億2500万円の単年契約。オフには必然的に球団側は来季の契約を結ぶか、結ばないかの難しい判断を迫られることになる。

 球団関係者の間からは「アクシデントとはいえ、アキレス腱を切り、どこまでパフォーマンスを回復させられるかは未知数。来年は36歳になる年で、今年期待されたような活躍を求めるのは酷ではないか」との厳しい声も上がった。

 しかし、出場わずか1試合、2三振のまま見切っていいものなのか…。一方の残留支持派≠燒ルってはいなかった。別の球団関係者からは「新型コロナで海外のスカウトも、なかなか動けない。新たに外国人選手を獲ろうと思っても、そう簡単ではないよ。あまり練習もできず、ウエートオーバーもあっての事故だから。今年は治療に専念して、来年こそ活躍を期待したい」「あれだけ二軍で打っていて期待感は半端じゃなかった。間違いなく実力はある。これで切ってしまうのはあまりにもかわいそうだ」と契約延長≠求める意見もある。

 確かに9試合に出場した二軍戦では打率5割、4本塁打、15打点。圧倒的な成績を残していただけに、チーム内からの期待もまた絶大だった。

 帰国後には自身のインスタグラムで「右足の靴を見てこんなに切なくなるとは。歩くことが恋しい」と切ない言葉を残したテームズ。二軍で見せた大暴れを東京ドームで披露することはできるのか――。

5/18(火) 5:15
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