浦和が今夏の新戦力として、フランス1部・マルセイユの日本代表DF酒井宏樹(31)に獲得オファーを出したことが9日、分かった。酒井はマルセイユとの契約を残すため、実現すれば移籍金が発生。柏からドイツに移籍した12年夏以来、9年ぶりのJリーグ復帰となる。森保ジャパン不動の右サイドバック(SB)が母国から、オーバーエージ(OA)枠での招集が有力視される今夏の東京五輪、A代表での来年のカタールW杯出場を目指す。

 日本代表で屈指の右SBが日本に戻ってくる。

 複数の関係者によると、浦和は昨年から酒井の獲得を目指し、今年3月に正式オファーを出した。完全移籍に向けた交渉は、大筋で合意しているという。マルセイユとの契約を22年まで残し、多額の移籍金が発生するだけに、浦和の本気度がうかがえる。

 酒井を巡っては、昨夏に神戸が獲得に動くなど複数のJクラブとの争奪戦となっていた。移籍が実現すれば、柏からドイツ1部・ハノーバーに完全移籍した12年7月以来、9年ぶりのJリーグ復帰となる。

 浦和では今季開幕前の1月末、U―24日本代表DF橋岡大樹が海外移籍。右SBやセンターバック(CB)を高いレベルでプレーできる酒井の獲得を本格化させた。マルセイユで左右のSBやCBなど複数ポジションをこなす酒井の加入は、4バックと3バックの併用を見据えるリカルド・ロドリゲス監督(47)の戦術では貴重な戦力となる。

 酒井は代名詞の高速クロスや攻守でハードワークできる運動量を生かし、日本代表では2度のW杯に出場。海外で計9シーズンをプレーし、昨年10月には欧州チャンピオンズリーグに初出場と豊富な経験を誇る。今季もフランス1部で28試合に出場と主力を担うが、近年は「自分のキャリアを日本に還元したい」との思いからJ復帰を望んでいた。

 東京五輪ではサンプドリアDF吉田麻也(32)、シュツットガルトMF遠藤航(28)とともに、OAの最有力候補に挙がる。五輪は所属クラブに派遣義務がなく、招集には交渉が必要。新型コロナウイルスの感染拡大で派遣に慎重となる海外クラブもある中、Jクラブへの移籍により、五輪代表の招集へ追い風となりそうだ。31歳ベテランが日本で足元を固め、五輪、カタールW杯出場への戦いを挑む。

 ◆酒井 宏樹(さかい・ひろき)1990年4月12日、千葉県出身。31歳。柏の下部組織を経て、2009年にトップチーム昇格。11年のJ1優勝に貢献。12年7月、ドイツ・ハノーバーに完全移籍。16年夏にフランス・マルセイユへ完全移籍し、昨年10月に欧州チャンピオンズリーグ初出場。U―23日本代表として12年ロンドン五輪に出場。A代表は11年デビューし、W杯は14年ブラジル、18年ロシアと2大会連続出場。A代表通算64試合1得点。183センチ、70キロ。

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