阪神が絶好調だ。20日も宿敵・巨人を敵地の東京ドームで下し、破竹の8連勝。貯金を12とし、セ・リーグ首位の座をガッチリとキープしている。まだ開幕から1か月足らずだが、ここまでの試合内容を見る限り「春の珍事」とは言わせないぐらいに投打もしっかりと噛み合っている。

 早くも5本塁打を放つなど活躍中のドラフト1位ルーキー・佐藤輝明に触発されるように、チーム全体が活気付いていることも大きいのだろう。こうなると虎党としては2005年以来、遠ざかっている16年ぶりのリーグVをますます期待したくなるに違いない。

 ところが、時を同じくして阪神のお膝元・関西では不穏な空気が漂ってきた。大阪府が20日、大阪府庁で新型コロナウイルス対策本部会議を開催し、政府への緊急事態宣言の要請を決定。大阪では5日からまん延防止等重点措置が適用されて2週間以上が経過したものの感染拡大傾向は止まらず、20日も新規感染者数が火曜日としては過去最多となる1153人を記録して歯止めがかからなくなっている。

 同会議終了後に吉村洋文知事は宣言期間内のイベント開催を原則として中止もしくは延期させたい考えを示し、プロ野球やJリーグについて質問が及ぶと「国との協議の中で判断することになると思う」としながらも例外なく同様の姿勢を示した。大阪府内には京セラドーム大阪があり、当球場を本拠地としているオリックス・バファローズにとっては、まさに「寝耳に水」であろう。

 ただ、一方の阪神も対岸の火事ではない。兵庫県の井戸敏三知事が「必要があれば要請する」と述べ、緊急事態宣言の発令を政府に要請する方向で最終調整に入ったことを暗に示唆した。21日にも要請が正式決定するとみられ、歩調を合わせるとしている大阪府の方針にならうとすれば緊急事態宣言発令後のイベント開催に関しても“大阪ルール”が適用される可能性は高い。そうなると兵庫県内の甲子園球場を本拠地とする阪神も大きな打撃を受けることになる。

 大阪府の吉村知事はプロ野球やJリーグ等のプロスポーツ公式戦開催に関し「いろんな方法もある。無観客もあると思うし。現時点で無観客は考えてないという意見も出たり、確定ではない」とも述べ、無観客もしくは観客上限数の大幅な抑制による試合開催に一応の含みも持たせた。だが「今回の決定の主旨は人流抑制。そのときに大規模なスポーツイベントはそれにあてはまってくるので抑制していくべき」とも念を押し、宣言下における試合開催には断固たる姿勢を崩そうとはしなかった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/66da591b94b680d960906d2c6323a4e1557a1f10
4/22(木) 12:28配信