元プロボクサーで、現在は俳優として活躍する赤井英和(61)の長男・英五郎(26)が、名門・帝拳ジムから2021年度の東日本新人王でプロボクサー・デビューする。強打を武器に「浪速のロッキー」として人気を博した父は、デビューから12連続KO勝ちの日本記録(当時)を樹立。15日、取材に応じた英五郎は「父の記録を一つでも更新して、世界を目指したい」と夢を語った。

昭和時代に日本を沸かせた人気ボクサーの長男が令和のリングに登場する。赤井英五郎は、大場政夫、浜田剛史、山中慎介、村田諒太ら世界王者を多数誕生させた名門・帝拳ジムからのプロデビューが決まった。アマ実績からC級ライセンスを獲得。規定が変更され、デビュー戦から東日本新人王トーナメントに出場が可能となったことで、エントリー受け付け中の2021年度東日本新人王(時期未定)でミドル級(72・5キロ以下)でのデビューを予定している。

 「プロになって、お世話になった帝拳ジム、東農大に恩返しをしたかった。新人王は取りに行きます」。現在は帝拳ジムでの練習のほかロードワークは毎日8〜10キロこなしている。

 父に勧められたわけではない。幼い頃から周囲からも「ボクシングをやったら?」と言われてきたが、「自分の才能を確かめたくて」と父の背中を見て挑戦を決めたという。小・中学ではラグビー、ハワイの高校時代はアメリカンフットボールに熱中。ボクシングは米ロス郊外のウィティア大に通っていた20歳の時から始めた。「最初はジムでキッズたちと一緒に。子供にボクシングを教わったりもした」

 一昨年、東京五輪を目指すため大学を休学して帰国、全日本選手権を目指したが4月に左アキレス腱(けん)断裂、10月に左手首のじん帯断裂。右手だけで練習したが、五輪の夢は破れた。「でも、ボクシングは続けたかった。だから、昨年2月に手首の手術を受けることを決断した」という。

 「父はボクシングを始めた時から喜んでいたようです。父もモスクワ五輪に行けずプロになった。僕もすぐに切り替えたんですが、父もそうしてほしかったみたい」と英五郎。姉・沙希(34)は女優でプロレスラーと活躍中。長男の夢は世界王者だ。「まずはデビュー。そして、父の12連続KOを一つでもいいから抜かしたい」。「浪速のロッキー・ジュニア」が父親超えを誓い、プロのリングに立つ。(谷口 隆俊)

 ◆国内の主な父子鷹ボクサー WBC世界ライトフライ級王者・寺地拳四朗の父・永(ひさし)氏は元日本ミドル級、東洋太平洋ライトヘビー級王者だった。元WBC世界バンタム級王者・辰吉丈一郎の次男・寿以輝は日本スーパーバンタム級8位、元WBC世界スーパーバンタム級王者・畑中清詞氏の長男・建人はWBCフライ級ユース王者。元日本フェザー級王者で、八重樫東らを育てた大橋ジムの松本好二トレーナーの長男・圭佑は昨年8月にデビューし、2連勝している。昭和初期に“拳聖”と呼ばれた伝説的選手のピストン堀口は、3代にわたり早大ボクシング部に所属し、孫の昌彰氏はライト級日本ランカーになった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/e3c1be251348f30e25032c4652564f3ae1be136c
3/16(火) 4:00配信

https://hochi.news/images/2021/03/15/20210315-OHT1I50339-L.jpg

https://www.sanspo.com/sports/images/20150913/box15091305020001-p1.jpg