DeNAは15日、昨季終了後に巨人から戦力外通告を受けた宮国椋丞投手(28)を育成契約で獲得したことを発表した。背番号は106。

 宮国は、沖縄・糸満高から2010年のドラフト2位で巨人に入団。1年目の11年は1軍登板がなかったが、2年目の12年に開幕ローテ入りを果たし、17試合の登板で6勝2敗、防御率1・86と安定した数字を残した。翌13年には開幕直前にWBCが行われてローテの柱だった内海、杉内、沢村が参加していたこともあって、開幕投手の大役を務めた。巨人では88年の桑田真澄以来となる20歳での大役だった。

 14年は3登板に終わると、15年からはリリーフに転向。15、16年は30試合以上に登板し、18年には29登板で防御率1・97を残した。20年は21登板で0勝0敗、防御率5・33。右肩コンディション不良で10月に登録抹消になったが、12月の12球団合同トライアウトに参加し、打者3人と対戦して元巨人・吉川大(現スコアラー)から空振り三振を奪うなど被安打は1だけだった。最速は140キロだった。他球団からのオファーはなかったが、現役続行を信じてトレーニングを続けていた。

 DeNAは東、今永が昨年手術を受けた影響で開幕ローテ入りは絶望的。エスコバー、ピープルズ、新加入のロメロら7人の外国人投手(育成含む)の来日のめどが立っておらず、先発、中継ぎともに頭数が足りていない。17年に再び先発に挑戦した経験もあるなど、先発でも救援でもこなせる宮国は補強ポイントと合致した。現状で支配下登録選手は65人。70人の登録枠にも空きがあり、今後のアピール次第では支配下契約される可能性も十分にありそうだ。

 DeNAは中井、田中俊、平良と3人の元G戦士が所属。特に平良とは同じ沖縄出身の投手ということで共通点も多い。巨人・原監督も昨年、「栄冠は君に輝く、そういう気持ちを持って、次のスタートを切ってほしい」と期待を込めて、進路を心配していた。トライアウト後には「今、持っている全ての力を出せたと思います」と話していた宮国。新たな挑戦が、DeNAの育成選手として始まる。

 ◆宮国 椋丞(みやぐに・りょうすけ)1992年4月17日、石川・金沢市生まれ。28歳。沖縄・糸満市で育ち、小1から軟式の高嶺クラブで野球を始め、高嶺中では軟式野球部に所属して主に投手。糸満高では1年秋に1年生大会の優勝に貢献も甲子園出場はなし。12年に1軍デビューした。通算成績は205登板、21勝21敗1セーブ、防御率3・59。186センチ、92キロ。右投右打。

https://news.yahoo.co.jp/articles/1fef09dfd63886f3869ade064c04c72f711f8e04
3/15(月) 10:06配信