16&17日の中日戦が正念場

◆オープン戦 阪神1―0巨人(14日・甲子園)

 巨人の秋広優人内野手(18)が62年ぶりの高卒新人開幕スタメンへ“正念場”を迎えた。初の“伝統の一戦”は2打数2三振1四球に終わり、ここ5試合で11打数1安打4四死球7三振と沈黙。開幕スタメン争いの区切りとなる16、17日の中日戦(バンテリンD)では、結果が求められる。頑張れ秋広!

【写真】ベンチに戻った秋広 厳しい表情を浮かべる原監督

 完全に翻弄(ほんろう)された。秋広は自分の形でスイングをさせてもらえなかった。5回1死一塁。2ボール2ストライクから、馬場の外角低めに沈むスプリットに、バットは空を切った。7回にはスプリットを頭に入れすぎたか、外の直球に手が出ず見逃し三振。2打数2三振1四球の結果に、原監督は指摘した。

 「今は体も頭の方も、いろんな意味で(疲労の)ピークに来ているような気がしているね」

 59年の王貞治以来、62年ぶりの高卒新人開幕スタメンを目指す規格外ルーキーが“正念場”を迎えている。7日の日本ハム戦(札幌D)で、球団の高卒新人として93年の松井秀喜以来28年ぶりとなるマルチ安打をマークし、指揮官も「並ではない」と賛辞を贈った。だが、9日のソフトバンク戦(ペイペイD)からの以降5試合で、11打数1安打4四死球7三振。今は落ちる球を振らされ、それが頭に残るあまり直球を捉えきれない“悪循環”に陥っている。

 今月4日に二松学舎大付高の卒業式を迎えたばかりの18歳にとって、全てが未体験の日々。開幕まで2週間を切り、仕上がりも進んだ各球団の主力投手との対戦も増えた。その中で得た感覚を、まだ自分の中で整理できていない状況だと原監督は見る。

 「消化をするという作業が、今のところ見つかっていないかな。(頭に)詰め込むだけ詰め込んでいるけど、やはりそれを消化していかないと次のエネルギーに変わってこない」

 原監督にとっても、選択の時は迫る。遠征を終えて19日から本拠で迎えるオープン戦ラスト3連戦は、開幕を見据えた用兵となるだろう。つまり16、17日の中日戦(バンテリンD)が区切りとなる。15日は試合がなく、甲子園で全体練習の予定。そこで心身を切り替え、どのような姿を中日戦で見せてくれるか。これまでにスタメンで使える状況でなければ1軍に置かない方針を明言している指揮官。そこに情は一切挟まず、シビアに判断する。

 「やっぱり1軍とは競争の場所だから。育成の場所じゃないからね」

 途中から1軍に昇格したキャンプを完走し、王、松井といった球団レジェンドの名が引き合いに出されるほどの活躍はただ見事のひと言だ。この日の3打席も全て初球から振りにいった。多くの識者が評価する最大の持ち味である積極性は失われていない。そこに光があると信じている。食らいつき、歴史を変えてくれ。(西村 茂展)

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3/15(月) 6:00配信
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