元オランダ代表MFクラレンス・セードルフ氏が21日、イタリア紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』のインタビューに応じると、黒人指揮官として障壁を感じていることを明かした。

セードルフ氏はかつて、アヤックスやレアル・マドリー、ミランなどで活躍。チャンピオンズリーグを4回制覇するなど、偉大なキャリアを歩んだ。2012年に10年間にわたって所属したミランを退団すると、ブラジルのボタフォゴで現役生活を続けたが、2014年1月に古巣が危機に見舞われると、自身の現役生活にピリオドを打つことを決断。解任されたマッシミリアーノ・アッレグリの後任として監督デビューを飾った。

その後は深センFC、デポルティーボ、カメルーン代表指揮官などを務めたが、黒人指揮官としてキャリアを築く上で、見えない障壁を感じているという。現在無職の元ミラン背番号10は、ヨーロッパサッカー界において、黒人指揮官に対する差別意識が根底にあると訴えた。

「私は12年間、イタリアでプレーした経験がある。加えてミランで指揮官として非常に良い仕事をしたと思うが、まったく声が掛からない。私の出身国であるオランダからもまったくない。選択の基準はどんなものなのだろうか。なぜヨーロッパのサッカー史を刻んだ偉大な王者が、ヨーロッパでチャンスを得ることができないのか。なぜ(パトリック)ヴィエラはニューヨークへ、(ティエリ)アンリはカナダへ行かなければならなかったのか」

「指揮官には、公平なチャンスが与えられないのか? データを見れば、サッカー界において重要な役割に就いている黒人がいないことが分かる。それは社会全体の一般論にも通じることだ。何かを変えることができる立場にある人たちを筆頭に、我々全員が、すべての門戸を開き、能力主義の世界を作り上げていく責任を負うべきだと考える。なぜならより良い結果は、まさに人々の多様性を通じて得られるものであるからだ」

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