2021.2.19 21:26

 兵庫県尼崎市は19日、プロ野球阪神タイガース2軍本拠地の誘致を目指し、候補地に挙げる小田南公園(同市杭瀬南新町)の周辺住民らを対象に行ったアンケート結果を公表した。約75%が賛意を示す一方、不安を訴える意見も多かったことから、市は住民の理解を得ながら、慎重に誘致策を進める方針だ。

 2軍施設については、現在の鳴尾浜球場(西宮市)が手狭なことなどから阪神電鉄が移転を検討。尼崎市は、スポーツや観光振興の目玉になるとして誘致を目指し、平成28年から電鉄側と協議を続けてきた。

 アンケートは昨年11月、同公園の近隣住民や公園利用者ら1万1098人を対象に実施。このうち24・7%から回答を得た。それによると、2軍施設誘致の賛否に関しては「賛成」(57・3%)「どちらかといえば賛成」(18・1%)と計75・4%が賛意を示したのに対し、「反対」「どちらかといえば反対」は計17・3%にとどまった。

 自由記述の意見では、「地域の活性化」「尼崎市のイメージアップ」への期待が400件超あり、「市内でプロ野球が見られる」「選手と子供たちの交流があればいい」と、試合観戦や選手との交流への期待も大きかった。

 一方、移転に伴い自然や憩いの場、子供たちの遊び場が減少することを懸念する意見も約650件に上った。訪れる人が増えることにより、「治安悪化や、ごみのポイ捨て問題が発生するのでは」「迷惑駐車が増える」といった不安の声も約320件あった。

 結果について市の担当者は「賛成意見が4分の3を占めたとはいえ、何らかの不安を感じている人がかなり多い」と分析。今後も電鉄側と協議を進めながら住民の不安解消策も検討し、再度アンケートを行うとしている。

https://www.sankei.com/smp/politics/news/210219/plt2102190060-s1.html