バッハを聞くと「勉強&読書」がはかどる理由 全米トップ脳トレーナーが教える科学的勉強法
2/12(金) 13:01 東洋経済オンライン
https://news.yahoo.co.jp/articles/af9ed579717e864b4d8a696de06e965020f7954e


同じ勉強するなら、より効率よくやりたいものだ。そして時には音楽を聞きながらするのも効果的である。しかし、かける楽曲を間違えると集中力が失われる結果になるから選曲を間違えてはいけない。Googleやナイキ、ハーバード大学を法人顧客に持ち、『LIMITLESS 超加速学習――人生を変える「学び方」の授業』の著者でもある脳トレーナー、ジム・クウイック氏の、科学的に正しい効率的勉強法を紹介する。

バッハを聞くと「勉強&読書」がはかどる理由 全米トップ脳トレーナーが教える科学的勉強法

■学び方を知らないと効率よく学べない
 勉強する能力を十分生かせていない人がとても多いのはなぜだろう?  効率的な勉強法を習ったことがないからだ。

 勉強の仕方くらい知っている、と当然のように思っている人も少なくない。問題は、今の勉強法の大半が古いか非効率であること。多くは数百年前から変わっていない。僕らは今、情報が遍在するきわめて競争の激しい情報時代に生きている。ところが、その情報を吸収して処理するメソッドは昔のままだ。

 世界の成功者は一生を通じて勉強している。新たなスキルを学び続け、その分野で最新の情報についていき、ほかの分野から学べることを応用し続けている。生涯学び続けることには莫大な利点がある。だから、リミットレス(限界のない)な学習者になるという目標に近づきたければ、勉強を人生の一部にしたほうがいい。
 それでは、僕がより速く、よりよい勉強法を長年教える中で見いだした、勉強力のリミットを外すためのシンプルな習慣を5つ紹介しよう。

(※中略)

習慣5 脳にいい音楽を聴く

 初めて何かを覚えたころのことを思い出してほしい。たいていの子と同じように、アルファベットを歌で暗記しなかっただろうか。テレビ番組『スクールハウス・ロック』の歌を聴いて、アメリカの議会で法案が成立する仕組みを知ったかもしれない。この世に音楽が生まれてからこのかた、親たちは音楽の力を借りて、わが子に人生の基本を教えてきた。それが有効だったからだが、音楽が学習に役立つことにはちゃんとした科学的根拠がある。

 たくさんの研究が音楽と学習を関連づけている。カナダの心理学者、E・グレン・シュレンバーグ博士が発表した「覚醒度・気分仮説」は、音楽と気分の相関、また気分と学習の相関を明らかにし、音楽を聴くことで学習能力を高められるとしている。

 中でもバロック音楽には優れた効果があるようだ。「音楽は心身のリズムを落ち着かせ、大量の内容情報の処理と学習を可能にする深い集中状態を作り出す」と、音楽と学習のエキスパート、クリス・ボイド・ブルワーは述べている。

 「バッハやヘンデルやテレマンが作曲したような、BPM(1分間の拍数)が50〜80のバロック音楽は、集中するのに適した雰囲気を作り、学習者をアルファ波の出る深い集中状態に導く。こうした音楽を聴きながら語彙の勉強や暗記や読書をすると、とてもはかどるのだ」

 ラップやKポップで同じ効果を得られる確証はないが、音楽への反応は個人差が大きいから、その手の音楽があなたに効く可能性もある。

■ストリーミングサービスを勉強に生かす

 もっとも、いまや音楽はストリーミングで手軽に聴けるので、勉強時のBGMにバロック音楽を加えることをぜひお勧めしたい。

 アマゾンミュージック、アップルミュージック、スポティファイにはバロック音楽のプレイリストがあるし、もっと深掘りしたければ、勉強専用のクラシック音楽のプレイリスト(大半はバロック音楽)も各配信サービスで見つかるはずだ。

ジム・クウィック :ブレインコーチ