2月7日、NHK大河ドラマ『麒麟がくる』の最終回が放送され、18.4%と放送再開後では最高の視聴率を記録した。

通常放送の大河としては史上初の「越年」という事態に戸惑った視聴者も多いかもしれないが、2月14日からは早くも次回作『青天を衝け』の放送がスタートする。

吉沢亮を主演に迎え、「日本の資本主義の父」渋沢栄一にスポットライトを当てる今作は、大河の例によって実力と個性を兼ね備えた俳優陣が名を連ねる。
特に話題を呼んでいるのが、最後の徳川将軍・慶喜を演じる草なぎ剛(※なぎは弓ヘンに前の旧字の下に刀)の存在だろう。

その慶喜の正室・美賀君という重要な役柄を演じるのが、元AKB48のメンバー・川栄李奈である。
史実上では、美賀君は一条の千代君の代役として1855年(安政2年)に慶喜と結婚するも、子供が夭折するなど不安定な時期が重なり、その後長い別居生活に入る。

将軍となった慶喜の入洛中は江戸大奥に入らず、2人がふたたび共に暮らすようになったのは1869(明治2年)のこと。
慶喜は側室と21人の子供を設けたが、子育てを務めたのは美賀君(=一条美賀子)だったという。

美賀君が一筋縄では行かない微妙な役柄であることはわかるだろう。
ちなみに98年の大河『徳川慶喜』では石田ひかりが演じていた役でもある。

川栄は「NHK女優」として着実にステップを踏みつつある。
大河に出演するのは19年の『いだてん〜東京オリムピック噺〜』以来2年ぶりのこと。

大河だけではない。
今年下半期の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』では、上白石萌音、深津絵里とともにヒロインの一人を演じることが明らかになっている。

「謙虚さ」がウケている
川栄が朝ドラデビューを果たしたのは16年『とと姉ちゃん』。当時は演技のイメージが定着していなかった彼女がなぜ朝ドラに? という声もゼロではなかった。

ただ、川栄はヒロイン決定後のインタビューで今回のヒロインが「6回目の(朝ドラ)オーディション」の選考によるものだったことを明らかにしている。

3000人以上の中から勝ち取ったというヒロインの座は、額面通りに受け取るかどうかは別にしても、「元AKB」の肩書きだけで手に入るものでないことは確かだ。

関係者の過去のインタビューを読むと、川栄はいわゆる「アイドル上がり」の役者とは違い、オーディションでイチから役を掴み、謙虚に芝居に向き合っている姿勢がそのまま役柄に現れている、との声がある。
美賀君という難しい役どころも、こうした部分が製作陣の目に止まったのだろう。

もちろん視聴者からすればさまざまな意見はあるところだろう。
だが、川栄はNHKだけでなく、民放でも『知ってるワイフ』(フジ系)などの出演で爪痕を残している。
そもそも1年間で、大河、朝ドラ、民放プライムタイムすべてに出演できる女優がどれだけいるのだろうか。

もしこのまま「NHK女優」のイメージが確立されれば、AKBグループ出身者としては異例の出世コースを開拓することになる。
「ゴリ押し」と揶揄する一部の声も消え、一流女優としての地位を確立する日もそう遠くはないだろう。

http://news.yahoo.co.jp/articles/9066450c575804e95e39c34426014949228f262d

元AKB48 川栄李奈
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