2021年1月30日掲載
https://www.dailyshincho.jp/article/2021/01301100/?all=1
https://www.dailyshincho.com/wp-content/uploads/2021/01/2101271123_2-714x476.jpg

 今年度後期の朝ドラ「カムカムエヴリバディ」(NHK総合)のヒロインに、元AKB48の川栄李奈(25)が選ばれた。AKB出身者が朝ドラに出演するのはこれまでにもあったが、ヒロインを演じるのは初のこと。川栄は“孤高のエース”前田敦子(29)を超えたか。

 ***

 もっとも、「カムカムエヴリバディ」は、昭和から令和の3つの時代を、ラジオ英語講座と共に生きた祖母、母、娘の3世代を描くため、朝ドラ史上初のトリプルヒロインである。脚本は「ちりとてちん」(07年度後期)を手掛けた藤本有紀によるオリジナル作品だ。

 祖母役を上白石萌音(22)、母役を深津絵里(48)、そして娘役を川栄が演じる。3分の1とはいえ、川栄にとって、朝ドラヒロインは夢だったようだ。彼女は以下のコメントを発表している。

〈この度、連続テレビ小説 「『カムカムエヴリバディ』」ひなた 役を務めさせていただく頂くことになりました。/朝ドラヒロインは一つの大きな夢であり、何度もオーディションに参加させていただき頂きました。/受かるまで受け続けようという気持ちでいて、今回も自分の全力を出し切って結果を待っていたので受かったと聞いたときは信じられないほどうれしかったです。〉

■朝ドラ挑戦は6度目

 芸能記者は言う。

「彼女が朝ドラに出演するのは、16年度前期の『とと姉ちゃん』以来、2度目になります。AKB卒業後の初ドラマとなった作品であり、幸先よく見えましたが、実は彼女はヒロインの座を狙っていたんです。彼女はAKB時代から、ヒロインオーディションを受けていて、『あさが来た』(15年後期)を皮切りに、これまで5回も挑戦してきたそうです。そして6度目の挑戦で、ヒロインの座を勝ち取ったのです」

 ちなみに、これまで朝ドラに出演した主な元AKBメンバーは以下の通り。
https://www.dailyshincho.com/wp-content/uploads/2021/01/2101261447_4-714x594.jpg

■前田敦子を超えた

 意外に多くが出演しているものだ。川栄がオーディションを落ちた「あさが来た」には、大島優子が平塚らいてう役で出演している。彼女はその後、「スカーレット」でヒロイン・戸田恵梨香の幼なじみを好演して、女優としての評価を上げた。民放プロデューサーが語る。

「今回のヒロイン達は、深津さん以外のを除く上白石さんと川栄さんはオーディションで選ばれました。最近の朝ドラは新人女優の登竜門的な意味合いは薄れてきていますからね、ふたりとも演技力が買われたんだと思います。まあ、川栄さんについては、ネット上で〈ヒロインに選ばれたのはAKB時代の握手会襲撃事件の同情から〉なんて心ない声もありますが、彼女は映画やドラマで着々と演技力を付けてきたのは紛れもない事実です」

 ところで、AKBといえば前田敦子だが、彼女はまだ朝ドラに出演していない。

「彼女はAKBメンバーとして初めて大河ドラマ『龍馬伝』(10年)に出演していますからね。敢えて朝ドラは狙わなかったのかもしれません。それに昨年末に14年間在籍した太田プロから独立し、今後はフリーでやっていくということですが、川栄に追い抜かれてしまった感じですね」

 AKBでは16位が最高位だった川栄に、トップのあっちゃんが敗れるとは……。

「前田はAKBを卒業してからも、センターのプライドが抜けませんでした。東宝制作のような大物俳優が出演する映画では素直に従っていましたが、自身が主役の映画やいい役どころの作品で、共演の役者が無名だったりすると、顔も合わせず撮影に入ったりしていましたからね。女優としてはまだまだなのに、脚本がお気に召さないと『このシーン意味ありますか?』なんて言ってくる。そういうところはスタッフから不評の声も上がっていましたから、独立後の仕事はなかなか難しいかもしれません。おバカキャラから演技派へとのし上がってきた川栄とは対照的です」

 川栄はといえば、朝ドラヒロインのみならず、2月スタートの大河「青天を衝け」にも出演する。役どころは15代将軍・徳川慶喜(草なぎ剛士)の正室である。

「『青天を衝け』にはもう一人のヒロイン、上白石萌音も13代将軍・徳川家定(渡辺大知)の正室として出演します。朝ドラの脇役でなくヒロインが、同じ年に放送される大河に出演するのは珍しい。撮影がカブるかどうかはわかりませんが、コロナ禍が長引きそうな中、NHKも思い切ったキャスティングをするものです」

 朝ドラと大河でさらに知名度を上げれば、川栄の女優としての評価はさらに高まりそうだ。