1/26(火) 14:30
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テレ東の大江麻理子アナも着用 報道番組にマスクで出演の是非…「表情も重要」と違和感の指摘も
テレビ東京「WBS」の大江麻理子キャスター(C)日刊ゲンダイ
 テレビ東京は、新型コロナウイルス感染対策として、1月中旬から同局の報道3番組「ワールドビジネスサテライト(WBS)」「Newsモーニングサテライト」「日経モーニングプラスFT」で、出演者がスタジオ内でトークをする際、マスクを着用して出演している。

 これに対し、SNS上の反応は、「さすがテレ東!」「(マスクなど感染対策の重要性を)テレビからも高める意味で英断」などとおおむね好意的だ。ヤフーのアンケート企画「Yahoo!ニュース みんなの意見」の「番組出演者のマスク、どうあるべきだと思う?」という問いには、「着用すべき」が84%(5万4526票)、「着用する必要はない」が16%(1万548票)との回答が寄せられており、こちらも賛成派が大勢を占める(25日時点)。

 こうした動きに他局が追従するかが注目されるところだが、NHKの正籬聡放送総局長は20日の会見で、「画面上は近くに寄って見えるが、飛沫を防ぐため相当な距離を取り、アクリル板なども設置してお伝えしている」とした上で、インタビューやリポート時にはマスクを着用する例もあることや聴覚障害者が口元を見て会話を理解する例もあることを説明。今後については、「状況に応じて、総合的にベストな方法を探っていきたい」とした。
パフォーマンス的な要素は否定できない

テレ東の大江麻理子アナも着用 報道番組にマスクで出演の是非…「表情も重要」と違和感の指摘も
TBS「新・情報7DAYS ニュースキャスター」の安住紳一郎アナウンサーとビートたけし(C)日刊ゲンダイ
 しかしながら、テレ東のこうした対応に対して、さるキー局報道マンの意見は手厳しい。

「パフォーマンス的要素は否定できないでしょう。リモート出演やアクリル板の設置などの感染対策をしっかり行い、適切なソーシャルディスタンスを確保すればあえてマスクをする必要はないのでは。報道番組のキャスターは顔全体の表情もニュースを伝える際には大事な表現方法。海外でもマスクをしているキャスターは見たことがない。マスクをするならラジオか新聞でも十分、目的は達成できる。なぜ、テレビメディアがニュースを報じるのかよく考えるべきです。さらに、報道以外のバラエティー番組などのスタジオ収録はマスクなしでいいのかという問題もある」

 放送ジャーナリストの小田桐誠氏は報道番組でのマスク着用についてこう話す。

「第1波から1年近くを経たなぜこの時期に? というのは感じます。2度目の緊急事態宣言が出たタイミングではありますが。それとかつて久米宏さんも話していましたが、キャスターというのは、言葉だけでなく表情もニュースを伝える重要な手段なのです。この2つの観点から違和感を感じますね」

 一方、23日放送の「新・情報7DAYS ニュースキャスター」(TBS系)では、かつてリモート出演していたビートたけし(74)が、安住紳一郎アナ(47)と3週連続でマスクをしてオープニングトークを行ったが、その後はマスクを外し、アクリル板を挟んで出演していた。25日現在、他局の報道番組で、キャスターがマスクをしてスタジオ出演する例は確認されていない。

 変異種への脅威も高まる中、各局の感染対策の模索は続きそうだ。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/fa8f96ff6e7d390da778ad5bb3732da602fdea91