Netflixで配信され世界中で人気を博している『今際の国のアリス』や、映画『サイレント・トーキョー』、さらには乃木坂46のMVにも使用されており、「こんなセット見たことない」と話題になった足利スクランブルシティスタジオ。1.5万平方メートルの敷地に繁華街のスクランブル交差点を再現した実用サイズの撮影スタジオで、改札や道路標識といった外見だけでなく、駅内のトイレや切り替わる信号、道路のゴミなどを精巧に再現。CG技術が発達している現代において、あえて実物にこだわったセット制作の裏側や、セットがもたらす映像作品への効果について聞いた。

【フォトギャラリー】落書きにシミ、劣化感なども完全再現した日本最大級のセットの全貌

■山ア賢人「渋谷じゃん!」 実際の業者に道路工事まで依頼したスクランブル交差点

 渋谷スクランブル交差点としてスタジオを利用している『今際の国のアリス』で主演を務める俳優の山崎賢人は、「『渋谷だ! 渋谷じゃん!』って思いました」と驚きを隠せず、共演する町田啓太は「規模感に本当に圧倒的され、そしてあの中でお芝居できたことに興奮しました」とコメントするほど、同スタジオは大規模に、そして精巧にセットが作られている。

 このセットの制作に携わった株式会社ヌーヴェルヴァーグの担当者に話を聞くと、建設されたのは2019年。もともとは中国の映画が建設のきっかけだったが、『今際の国のアリス』、『サイレント・トーキョー』が同セットに出資。大規模なスクランブル交差点の建設が実現した。

 建設に向けて重要なポイントだったのが“場所”だったそう。

「広大な敷地の確保や、需要の高い首都圏からの距離もふまえ、足利市とも協議を重ねて現在の場所に決定しました。」

 これだけ大きなセット建設には市の協力が不可欠。工事から撮影までの騒音にも対応する必要があるため、場所選びは慎重に行った。

「その後、設計図面の段階で交差点を敷地に収めるために測量と調整を繰り返し、試行錯誤を続けて施工に入ります。通常は図面をもとに映画セットの製作を行う方々が建物を建てていきますが、今回のセットでは交通インフラに携わる会社様にご協力を頂き、実際の道路工事が行われた事が大きな特徴です。」

■破損や落書き…人為的な劣化を違和感なく表現 セットは作品に応じてアップデートも 

 『今際の国のアリス』のメイキングを見ると、改札や公衆トイレ、交番、広場に展示されている元東急5000系の車両にいたるまで、細部にこだわって制作されているのが分かる。

「駅の改札やトイレ・道路の汚れなど、実物の再現性にこだわって制作しました。綺麗な素材に、あえて汚しを施す作業をしています。塗料を使うことが多いですが、実際に飲み物をこぼしたり、乱暴に扱って意図的に破損させたりすることもあります。また、時間の経過とともに風雨や排ガスで色あせていく自然な劣化と、多くの人々が行き交うゆえに発生する破損や落書きといった人為的な劣化を違和感なく表現しています」

 セットの増築やアップデートも作品に応じて行われている。一番最初の撮影の際には、着工から撮影開始までは概ね3カ月程度かかったが、大規模なセットがゆえに一部を作りながら撮影を行っていたそう。その後、作品を撮影するたびに少しずつセットが追加されて今の状態になっている。

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2021年1月26日 8時40分 オリコン

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