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大みそかに放送される『NHK紅白歌合戦』に対抗する民放各局がどこまで食い込むか、例年気になるところだが、20年末はどうだったのか?

 まず、『第71回NHK紅白歌合戦』の視聴率は前半(午後7時30分〜8時55分)が34.2%(ビデオリサーチ調べの世帯平均視聴率、関東地区・以下同)で前年(19年)より0.5%ポイントダウンしたものの、後半(同9時〜11時45分)は40.3%を獲得して、前年比3.0ポイント増で2年ぶりに大台に回復した。

 そんな中、民放では、日本テレビ系『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで! 大晦日年越しスペシャル 絶対に笑ってはいけない大貧民GoToラスベガス』が第1部(同6時30分〜)で17.6%をマークして、前年より1.4ポイントアップ。第2部(同9時〜深夜0時30分)は14.1%で、前年比0.5%ポイント下げたものの、11年連続で安定のトップを守った。

 もっとも注目を集めていたのが、“2位争い”で、テレビ朝日系『ザワつく!大晦日 一茂良純ちさ子の会』の第1部(同6時〜)が11.8%で、19年より1.8ポイント増で2年連続2位の座を保った。ただ第2部(同7時〜)は8.8%、第3部(同9時〜)は6.7%、第4部(同11時45分〜)は5.8%で2ケタに乗せられなかった。

 2年連続で民放3位となったのは、テレビ東京系『第53回年忘れにっぽんの歌』(同4時〜10時)で7.4%。19年は7.3%であったため、ほぼ横ばい。4年連続放送の『孤独のグルメ2020大晦日スペシャル〜俺の食事に密はない、孤独の花火大作戦!〜』(同10時〜)は4.1%で、前年比0.6ポイント減。『東急ジルベスターコンサート 2020-2021』(同11時30分〜深夜0時45分)は2.0%で、前年より0.6%ポイント上げた。

 民放4位は、20年もフジテレビ系『RIZIN.26』で、同6時から7時が4.6%、第1部(同7時〜)が6.0%、生中継枠となった第2部(同8時〜)が7.3%、第3部(同10時30分〜)が4.1%。19年は最も高かった時間帯(同9時〜11時)が5.2%だったため、2.5ポイントアップさせた。

 民放ビリ(5位)は、大みそかに初進出となったTBS系『バナナマンのせっかくグルメ5時間SP!豪華芸能人が全国縦断笑って食べ納め&生放送』(同7時〜11時45分)で4.6%と惨敗し、同局は2年連続最下位。19年末の『SASUKE2019大晦日』でも、第1部=4.0%、第2部=5.0%で、ほとんど数字は変わらなかった。

「『ガキ使』は実績があり、視聴者に浸透していますから民放トップは、そう簡単には揺るぎません。『ザワつく!』はレギュラー放送で13%程度獲っているので、2位は順当なところ。『年忘れにっぽんの歌』は2ケタこそ獲れませんが、毎年安定した数字を維持しており、紅白から締め出された演歌ファンに根強い支持を得ています。『RIZIN』はアップしたと言っても、18年末の最高が7.5%だったので、7%台が目いっぱい。20年末のように、コアな格闘技ファンしか興味が持てないようなカード編成では、とてもこれ以上は期待できないでしょう。

『せっかくグルメ』はレギュラー放送では、激戦区の日曜午後8時台で2ケタを獲る回もあって健闘しており、家族で楽しめるグルメ番組とあって、TBSの期待感は高かったのですが実績不足でした。上白石萌音や菜々獅投入しましたが、功を奏しませんでした。前番組のボクシング(WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ〜井岡一翔×田中恒成=同6時〜7時)は10.3%と2ケタに乗せましたから、また井岡戦をゴールデン帯に戻すことも一考すべきでしょうね」(テレビ誌記者)

『ザワつく!』で、それなりの数字を残しているテレ朝と、てこ入れしてもまるで効果がないTBSとでは、まさに明暗クッキリ。TBSとしては、テレ東にも負け続け、5%すら獲れないのは、さすがに目も当てられない。今年の大みそかは、どんな番組をもってくるか注視してみたい。