日本サッカー協会は5日、全国高校選手権の準決勝と決勝(9、11日・埼玉スタジアム)を無観客で実施すると発表した。正月恒例の今大会はコロナ禍の中、準々決勝までは出場校の部員や保護者ら学校関係者に限って観戦を認めていたが、1都3県に緊急事態宣言が再発令される見通しになったことを受け、感染防止対策を強化することになった。

 日本サッカー協会は、元日に国立競技場で行われた天皇杯決勝(川崎−G大阪)でも、新規・追加チケットの販売を停止。一方、Jリーグでは観客を入れての開催を模索中している。高校サッカーの保護者らからは「同じサッカーなのに対策が違うのはおかしい。子供たちの晴れ舞台をスタンドで見たい」という声も上がった。

 Jリーグではルヴァン杯決勝(4日)で国立競技場に2万4219人を動員。村井満チェアマン(61)は「決して、無謀なことをするつもりはない。スポーツを続けていくことと対策の両立は不可能ではない」と力説する。

 コロナ禍のJ1〜J3は全1074試合を消化して観客動員数は339万4186人。Jリーグ関係者は「試合観戦のあとに陽性判定を受けた方は2人。(J1の観客は)ひとりもいない」と話している。

 ルヴァン杯決勝では観客同士の距離やマスク着用の有無を映像などで調査。また携帯電話の全地球測位システム(GPS)を利用してトイレなどの密集具合や、試合後の行動も分析し「報告書を出してしっかり公表もします。東京五輪開催に向けてもアシストできれば」(村井チェアマン)と話した。

 ウィズコロナに向き合うしかない状況だけに、やみくもに無観客にするだけでは何も前に進まない。それをJリーグは証明しようとしている。 (編集委員・久保武司)

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夕刊フジ
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