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BUMP OF CHICKENのベーシスト・直井由文も、妻子がいることを隠しながら女性と付き合い、不倫相手を酷く傷付けたことが発覚し、現在まで活動を休止している。3人体制でもBUMP OF CHICKENの継続を選んだボーカル・ギターの藤原基央が、当時の苦悩やバンドの近況を「CUT」2021年1月号(ロッキング・オン)で明かしている。
中略

直井のスキャンダルが発覚した直後の9月27日深夜に放送されたラジオ番組『BUMP OF CHICKENのPONTSUKA!!』(bayfm)で、藤原は<このバンドはここで終わりにするしかないのかな>と、BUMP OF CHICKENの解散を視野に入れたとまで語っていた。

<僕らのリスナーには心になんらかの傷を負っている人が多いんじゃないかなと思います。これは20年以上ステージに立って、みんなに向けて演奏してきて、歌ってきて、肌で感じてきたことです。
 たとえば、拭いきれないような後悔とか恥ずかしさとか、いまだにずきずきするような、消化しきれない、そういうものを治らない傷のように抱えている人、そういう人が僕らの音楽を、僕らが思っている以上にとても強く信じてくれて、大切にしてきてくれていたんだなと>
(『BUMP OF CHICKENのPONTSUKA!!』より)

 さらに「CUT」では、自分の父親の不倫に心を傷つけられていたところにBUMP OF CHICKENと出会い、その音楽に癒しと勇気をもらったファンから手紙をもらったこともあると藤原は明かしている。

 そうしたファンの声が届いているにも関わらず、同じように人を傷つけるような振る舞いをした直井に対して藤原は失望と怒りを覚え、同時に責任を感じていたようだ。

しかしそれでも解散を踏みとどまり、しばらく3人でバンドをやっていこうと決断したのも、やはりファンのためだった。BUMP OF CHICKENの音楽を生きる支えにしてくれているたくさんのファンのために、どのようなかたちで責任をとればいいか、彼らが考え続けた結論は「解散」ではなかった。

<『メンバーのひとりがこういう事態を起こしたので、僕たちのバンドの活動はここまでにします、ここで終わりにします』っていうのはね、僕たちをここまで大切にしてきてくれていた君たちリスナーに対する責任の取り方としてどうしても正しいと思えなかった。それは問題の本質から逃げているとしか思えなかった。そんなけじめの取り方は、一番君たちに見せてはいけないものなんじゃないかなと思いました>
<僕たちはなにがなんでもバンドとして音楽活動を続けなきゃいけないんじゃないかと思いました。BUMP OF CHICKENとして音楽を鳴らし続けることだけが、ここまで僕らを大切にしてきてくれた君たちの信頼を裏切ってしまったことに対しての責任の取り方として唯一のものだと思いました>
(前述ラジオ番組より)

 「CUT」での藤原のインタビューによれば、まずは製作途中の楽曲を仕上げる作業から進めているようで、近況について<3人で音楽活動をやっている時は迷いはないんです。迷っていたとしても、その迷いさえも音符になるというか、それが表現だと思うから>と話している。