12/29(火) 7:05配信
NEWSポストセブン

『THE W』で優勝した翌2020年、大いなる飛躍を遂げた

 世界がコロナ禍に見舞われてから早くも1年が経とうとしている。2020年のお笑い界では、感染防止のためにイベントの中止や延期を余儀なくされたが、そうした中でも新しい才能が続々と登場した。なかでも数多くの女性芸人にスポットが当てられたのが印象的である。

 12月14日に放送されたお笑いコンテスト『女芸人No.1決定戦 THE W 2020』(日本テレビ系)では、優勝したピン芸人・吉住だけでなく、決勝戦で惜敗したお笑いコンビ・紅しょうが、途中敗退した初代女王・ゆりやんレトリィバァなど、多くの出演者が話題を呼んだ。

 とはいえ、やはり『THE W』で優勝を勝ち取ることは、その後の活動を左右するほど大きな意味を持つようだ。お笑い評論家のラリー遠田氏は、2020年に最も活躍した芸人として、2019年の『THE W』でトップの座に輝いた3時のヒロインの名前を挙げる。

「2020年に最も活躍した女性芸人と言えば、3時のヒロインではないでしょうか。2019年の『THE W』で優勝したことをきっかけに大ブレークを果たしました。底抜けに明るい性格のゆめっち、ぽっちゃり体型で動きにキレのあるかなで、ネタ作りを担当する福田麻貴。見た目もキャッチーな3人がそれぞれの個性を生かして、上半期から幅広いジャンルの番組で活躍しました。

 下半期に彼女たちに迫るほどの勢いを見せたのが4人組・ぼる塾です。猫塾としんぼるという2組のコンビが合体して新しいカルテットが生まれました。

 メンバーの1人である酒寄希望が育休中のため、主に3人で活動していました。あんりが見せるパワフルなツッコミが強烈な印象を残しています。元ギャルの田辺智加が髪をかきあげて言う『まぁね〜』は新語・流行語大賞にもノミネートされました」(ラリー遠田氏)

 では、2021年に活躍しそうな芸人は?

「今後の活躍が期待できそうなのは、やはり今年の『THE W』で優勝した吉住、そして男女コンビ・蛙亭の岩倉美里などです。どちらもネタの面白さに定評がありますが、今後はバラエティ番組などでそれぞれのキャラクターにもスポットが当たるかもしれません」(ラリー遠田氏)

 一方、テレビウォッチャーでコラムニストの飲用てれび氏は、3時のヒロインの成功が、後続する女性芸人たちが活躍する道を開いたと指摘する。

「多くの若手女性芸人が活躍した2020年、やはり大きなきっかけは前年の3時のヒロインの『THE W』優勝だったのでしょう。従来、テレビで活躍する女性芸人の多くは男性芸人以上にビジュアル面での強いインパクトが求められていたように思います。

 3時のヒロインは、かなでとゆめっちの2人がそんな従来の女性芸人の文脈をカバーしつつ、同時に福田麻貴が近年あまりいなかった『MCも期待できる女性のツッコミ役』として注目されました。彼女たちの登場と活躍が、さまざまなタイプの若手女性芸人が後に続く道を広げたように思います」(飲用てれび氏)

 さらに飲用てれび氏は、今年活躍した女性芸人の多くに“女性芸人”という括り方を問い直す姿勢が共通して見られるという。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/3d640e0d35924494e5da2f59769859c02b5f8e6e
>>2続く