日本代表MF久保建英(19)の去就について様々なメディアで報じられているが、ビリャレアルの地元紙エル・ペリオディコ・メディテラネオは24日の紙面で、1月の移籍市場で残留か退団を決めるのは久保自身だと報じている。

同紙によると、ビリャレアルには久保放出の意思はなく、強制的に久保を退団させるつもりはないとのこと。そしてレアル・マドリードもこれまで、ビリャレアルに期限付き移籍を中断することや、エメリ監督に久保の出場時間をもっと増やすようなプレッシャーをかけたことは一度もないという。

このような状況の中、もし久保が退団を強く求めた場合、久保自身がビリャレアルに契約解除を申し入れ、Rマドリードが他のクラブと契約を結び、久保の給料と期限付き移籍の手数料の支払いに関してビリャレアルが不利にならなければ、契約解除に問題はないとのことだ。

ビリャレアルは久保と契約を結んだ際、期限付き移籍の手数料250万ユーロ(約3億1250万円)プラス出来高ボーナス、そして給料全額の約250万ユーロ(約3億1250万円)を支払うことでRマドリードと合意に達していた。

久保には現在、スペイン1部リーグの様々なクラブからオファーが届いているとのことだが、新型コロナウイルスの影響を大きく受け、スペインおよび欧州のサッカー界の経済状況は全体的に落ち込んでいる。そのため実際に久保の半年間の給料、期限付き移籍の手数料および出来高ボーナスの総額約300万ユーロ(約3億7500万円)を支払えるクラブはあまりないという。

さらにスペイン1部リーグのクラブの多くはサラリーキャップ(移籍金の減価償却費や選手年俸などの限度額)がギリギリの状況であるため、久保を獲得できるほど余裕のあるクラブはほとんど存在してしないという。

久保は現状、チームメイトと良好な関係を築いている。プレーを継続した場合の唯一の問題は、ジェレミ、トリゲロス、モイ・ゴメスなど久保のポジションに近い選手たちが好調なため、スタメン入りや出場時間を増加させる障害になる可能性があるということだ。

同紙はさらに「ビリャレアル内で久保の才能や素晴らしい振る舞い、プロ意識に異議を唱えるものはいない。しかしスタメンの地位はピッチの上で獲得する必要があり、ビリャレアル内のポジション争いは非常に激しい」とレギュラー確保が非常に厳しいと改めて強調している。

そして「久保は若干19歳の青年であり、Rマドリードは若い選手が上位クラブでプレーすることが簡単でないことを分かっており、さらに久保の成長にとってポジティブに捉えている」と伝え、最後に「久保の件は冬の移籍市場が終了されるまで過熱状態が続くことになるだろう」と締めくくった。(高橋智行通信員)

12/24(木) 14:26 日刊スポーツ
https://news.yahoo.co.jp/articles/158edf78e352fc9de232d1f5cc2c1d9fdac24b85

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