2020年12月16日 06時54分 JST | 更新 2020年12月18日 10時33分 JST
「仲良し夫婦ごっこ」でも気持ちは上がる。伊藤理佐さんが「小さいことや、くだらないこと」を漫画にし続ける理由
約20年続いたシリーズの続編『おいおいピータン!!』1巻が発売された。クスっと笑える日常を描き続ける漫画は、日常って悪くないかも、愛おしいかも、というような気づきをくれる。

湊彬子/Akiko Minato
Nodoka Konishi


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Junichi Shibuya
伊藤理佐さん


「小さければ小さいことほど面白い」。そう話すのは漫画家の伊藤理佐さんだ。
恋と食をテーマに雑誌『Kiss』で約20年連載されたオムニバス漫画『おいピータン!!』の続編となる『おいおいピータン!!』1巻が、このたび発売された。
物語の主人公は会社員の大森さん(通称ピータン)。メガネとくるんくるんの髪型がトレードマークで、『おいピータン!!』時代には恋人だった同僚の渡辺さんと結婚。二人は猫をかわいがり、二人で囲む食卓を楽しみながら、ほっこりと生活を続けている。

シリーズでは大森さんと同僚、近所の人たちの日常を描いてきた。大きな事件は起きない。起きるとしても、「一度だけ行ったおいしい中華の店を探してさまよう」とか「自分が買ってきたお土産のお菓子が、職場で人気がない」など、読者にも身近なちょっとしたことだ。
でも、そんなクスッと笑えるちょっとしたことが、気付きをくれる。生活や日常って、悪くないかも、愛おしいかも、というような。

どうやって、こういう優しい物語が生まれるのだろうかーー。作品を読み続けてきた記者2人で、作者の伊藤理佐さんに会いにいった。


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伊藤理佐(いとうりさ)さん
1969年生まれ。長野県原村出身。1987年、『おとうさんの休日』でデビュー。ハムスターが主人公の漫画『おるちゅばんエビちゅ』は大ヒットしアニメ化もされた。『おいピータン!!』で第29回講談社漫画賞。『おんなの窓』『おいピータン!!』などで第10回手塚治虫文化賞短編賞。2020年には、『おいおいピータン!!』1巻のほか、美容エッセイ漫画『それでも!女のはしょり道』、『おるちゅばんエビちゅ ちゅ〜』1巻が出版された。
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「寒いからラーメン」「二人で半分こ」ーー。食事をめぐる状況が好きなんです。

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Junichi Shibuya
伊藤理佐さん

ーーピータンに出てくるキャラクターたちが大好きです。大森さん、渡辺さんはもちろん、ほぼ全員がそっくりな「大森一家」、大森さんの元彼女で恋愛がうまくいかない陽子さん、大森さんの近所に住んでいる(とみられる)夫婦と一人娘マユさんなど。どの人生も愛おしいのですが、キャラクターごとに話を膨らませている感じなんでしょうか?
先にネタを考えてから、「誰にしようかな」とキャラを当てはめる感じで描いています。「お、ちょうどいいキャラがいたいた!」って(笑)。
ピータンが初めて登場したのは、別のタイトルの漫画だったんですよ。今では「いい人」ですけど、もう少しクセの強い人でした。飲食店でいつもピータン豆腐を注文するから、周りの客に「ピータン」とあだ名をつけられた。
今も私を担当してくれている講談社の編集者・鎌倉さんがそのキャラに注目して、私が漫画に「ごはん」をよく描いていたので、「『おいしい!』と『ピータン』で『おいピータン!!』で連載しようよ」と言ってくれて、始まりました。

開始当時、鎌倉さんには「レシピも書いて」って言われたんですけど、私はレシピにはそんなに興味がないので書きませんでした。食事をめぐる状況が好きなんです。「この時食べたから美味しい」「寒いからラーメン」「二人で半分こ」とか、“美味しい目”にあいたいんです。





ネタは、普段の暮らしのあっちゃこっちゃに落ちている
     ===== 後略 =====
全文は下記URLで
https://www.huffingtonpost.jp/entry/risa-ito_jp_5faddd6ec5b6370e7e31632d