DeNAから巨人にFA移籍した井納翔一投手(34)と梶谷隆幸外野手(32)が14日、都内で入団会見を行った

井納は2年総額2億円、梶谷は4年総額8億円。今季DeNAで6勝7敗、防御率3・94、通算50勝の井納は「150イニング以上投げて中継ぎを休ませたい」と決意表明。1番として打率・323、19本塁打の好成績を残した梶谷は「家にヒゲ剃りがなくて、買って剃ったんですけど、少し寂しい気持ち。顔を見た時に、ちょっとなしかなと思った」と報道陣を笑わせた。同席した原監督は「FAはプロ野球選手の中で宝物であり勲章。球団には井納投手、梶谷選手の2人と話をしてくださいと伝えた」と自ら選んだ補強の経緯を明かした。

 ただ、喜ばしいことばかりではない。今季年俸がBランクの梶谷を補強した代償として、DeNAに「人的補償」を要求される可能性がある。プロテクトした28人、外国人、先日のドラフトで獲得した選手、育成以外のリストから1人指名される仕組み。毎年のようにFA補強する巨人は過去に13人が流出している。DeNAのチーム関係者が明かす。

「有望な若手を狙いたいという意見は球団内にあります。巨人はFA入団して3年契約を終えた33歳・野上の年俸を1・5億円から減額制限を超える3000万円に下げた。3000万円ならお買い得だよと誘っているのでしょう。狙い目だった堀田、鍬原といった手術明けの元ドラ1組や昨年新人ながら二軍で首位打者を獲得した山下、高卒2年目で一軍初先発を果たした直江といった若手有望株がこぞって育成契約になったのは、ウチに指名されないためじゃないか。ルール違反じゃないけど、巧妙ですよね。ウチの幹部も恨み節を言っています」

 巨人の大塚球団副代表は「発掘と育成元年」と宣言していた。FA補強で逆行する形となるが、この日こう弁明した。

「将来的にはやります。でも、発掘、育成、プラス補強ですよ。3、4年後に(若手が)上がってくればいい。優勝しなくていいならいいけど、勝たないといけないから」

 巨人は「3、4年後」に一軍で活躍するような若手有望株を取られることを嫌がっている。2人同時に引き抜かれたDeNAはこれをやれば、巨人にダメージを与えられるということだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/6322ebb9bf3dbbaa095137c7927bed0a9d27c7d9
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