12/12(土) 11:08配信
ABEMA TIMES

浪川大輔

 TVアニメを制作現場の舞台裏を紹介して、アニメの“今”を発信する情報プログラム『情報最前線!アニメンタリー!』。そのMCを担当するのは、声優として、TVアニメ『体操ザムライ』の荒垣城太郎役など、あらゆる作品で活躍する浪川大輔だ。長年、声優として活躍する浪川だからこそ知る、舞台裏とはどんなものか、また声優の役割とは。声優を目指す若者に向けては、厳しくも温かいメッセージを送った。

2番でも3番でも役はひとつしかない 1番になる方法を常に考えておいてほしい
――アニメ業界における声優さんの役割という意味で、とても幅広いことが求められている現状をどう思っていますか?

浪川:どの道も正解だなと思います。「声優」はもともと職人のような扱いをされている一面があると思うんですけど、さらに他の面では、バラエティや歌、イベントなどのステージだったり、いろいろな活動の場があるんです。ただ、それらは、もともとの職人気質の「声優」というところから派生しているものではあると思うんです。

 歌やイベントって、アニメやキャラクターありきのものであることが多いので、どこを活躍の場に選ぶのも自由だし、喜んでくれる方がいるのであれば、一生懸命やるべきだと思いますけど、どこに特化しても、お芝居は絶対にマスターしないといけないものなのかなとは思います。それがあれば、何をしてもいいというか。

 だから、お芝居をせずに瞬発力だけで物事を進めていくのならば、それは「声優」ではないのかなと。タレントさんやモデルさんやミュージシャンなど、お芝居以外のところで輝いている方はたくさんいらっしゃるので、その人たちには勝てないのではないかと思います。中には対等にできる人もいますけど、「声優」と名乗るのであれば、お芝居をしてからというのが、基本路線だと思います。これは古い考え方なのかもしれないけど、そのほうが息の長い声優になれると思っています。

――自分に求められているものが、ここ数年明らかに広がってきているとは感じていますか?

浪川:それはとても感じています。僕より20歳も上の方がバンドを組んだりしているのを見てきましたけど、やっぱりその頃とはコンテンツ量が全然違いますし、昔が良い悪いではなく、今の技術と共に時代が変わってきているのだから、僕たちも変わっていかなければいけないなと。だから僕が今回この番組でMCをやらせていただくのも、そういうことだと思います。本来は司会者という方がいらっしゃって、その方々には勝てないとは思うので、僕がやるのであれば、「声優」を通しての自分らしさを出せればいいのではないかと思っています。

――浪川さんは、芸能という世界で長く活躍していますが、もともとマルチに活動することが好きだったのですか?それとも自ずと広がっていったのですか?

浪川:もともと子役で劇団出身なのでお芝居しかやっていなかったですし、お仕事でCMの歌を歌ったりはしましたけど、基本的にはこんなふうになるとは思っていなかったです。やらなければいけない、やったほうが道が広がったり、自分の思いが伝えられるのであればやるという感じでした。

 今回の番組も、アニメが好きで、作品のために何かできないのか、自分は知っていることなのに、それが何で多くの人に伝わらないんだろうとか、そういう事を考えている中で、ABEMAさんやアニプレックスさんの協力を得て実現したことなんです。

――作品のために、「声優」としてできることをやってきた結果、やれることが広がっていったのですね。

浪川:そうです。別に僕がMCをやらなくても、こうやってアニメ監督のお話を聞けるような番組があったらいいのにな、と思っていましたし。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/2a23c52b0171cef97d12c8fe3b37f78b28fdc137
>>2続く