2020-12-08

 今年35周年を迎えた『シルバニアファミリー』。1985年にエポック社より発売され、象徴的な“赤い三角屋根のお家”と、森に住む動物たちの人形は一大ブームに。日本におけるドールハウスの立役者となり、現在は世界約70ヵ国で愛される玩具へと成長した。近年では、ツイッターで「#大人のシルバニア」としておもしろ写真を投稿したり、オリジナルのジオラマを作るなど、楽しみ方が多様化。現在もネット上で動物たちの村長選挙が開催されるなど、大人ファンも増えている今、誕生当時からの変化と、変わらずに大事にしていることとは。エポック社の担当者に話を聞いた。




◼あえてキャラクター名をつけずに展開「名前がないほうが自由に自分を投影できる」

画像提供:エポック社
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”シルバニアの顔”ショコラウサギのフレアちゃん(画像提供:エポック社)
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――シルバニアファミリーは「子どもたちに自由な発想で好きなように遊んでほしい」という配慮の元、動物たちにはあえて名前をつけなかったと伺いました。

「お客様がそれぞれの思い入れを持って、好きな名前で呼べる方が身近な存在に感じていただけると思い、当初は名前をつけていませんでした。お子さんが“ごっこ遊び”をする時も、名前がないほうが自由に自分を投影できるかなと。どちらかというと、ぬいぐるみに近い感覚ですね。でも実は海外では、最初から名前をつけて展開していたんです」

――海外で日本と違った展開になったのはなぜでしょうか?

「海外では環境も文化も違うので、物語を展開していく際に固有名詞がないと作りづらいという背景がありました。10年ほど前から海外での展開が非常に大きくなり、グローバル化するにつれ、日本でもショコラウサギの“フレア”ちゃん、くるみリスの“ラルフ”くんと、名前をつけて展開するようになりました」

――現在は、日本でも名前があるんですね。

「海外で親しまれていた名前を、日本でも使用しています。外国では、お気に入りの子を名前で覚えてくださっている方もいるんですよね。今遊んでいるお子さんたちも、共通の名前があれば、大人になった時に『フレアちゃんが好きだった』など、共通言語として思い出になり得ます。そういった未来を考えると、名前があるのは素敵なことかもしれないという思いもあり、時代に合わせて変化していっています」

――動物の種類は、どうやって決めているのでしょうか?

「最初はクマやウサギ、リス、キツネなど、森で暮らしていそうな動物からスタートしました。時代と共に、人気のある動物や、海外で馴染みのあるハリネズミなど、お客様の要望に合わせて変化しています。ライオンが登場した時は、“みんな食べられちゃうんじゃないか!?”みたいなご意見もあったのですが、やさしいライオンなので大丈夫です(笑)」

――来年発売のキリンや、ハスキー犬など、動物のバリエーションが年々増えていますよね。

「キリンは、かなり苦労して誕生しました。お子さんに人気の動物なのでずっと商品化したかったのですが、シルバニアらしいかわいらしさを作るのがとても難しくて。何度も試行錯誤を重ねて、ようやく発売できることになりました」




◼洗濯板からドラム式洗濯機に、改良の基準は「お母さんが子どもに説明できるもの」
     ===== 後略 =====
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