公開中のアニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が29日までで興行収入275億円に達したと、配給元の東宝とアニプレックスが30日発表した。公開からわずか45日間で「タイタニック」(1997年、262億円)を抜き、国内興収歴代2位に躍り出た。同1位の「千と千尋の神隠し」(2001年、308億円)まで約33億円と迫っており、年内の記録更新も視野に入ってきた。また、観客動員数も2000万人を突破した。

「鬼滅の刃」の29日時点での興収は約275億1243万円、観客動員数は約2053万人を記録。同作は10月16日に公開されると、わずか3日間で過去最高の興収約46億2311万円、観客動員数約342万人に達した。その後も堅調に数字を積み上げ、公開10日間で興収100億、同24日間で200億円を超え、先週発表された時点では興収は259億円となり、「君の名は。」(16年、250・3億円)と「アナと雪の女王」(14年、255億円)をかわし歴代興収3位となっていた。

 鬼滅の興収は先週の発表から約16億円上積みしており、このペースで推移すると12月中旬にも「千と千尋―」超えが達成される。

 映画関係者は鬼滅の“勝因”に、まずは「物語の設定の秀逸さや個性的なキャラクターの多さ」など作品の魅力を挙げる。複数のスクリーンを抱えるシネマコンプレックスが鬼滅を優先して上映する効果も後押しした。その上で、新型コロナウイルス感染拡大で「洋画の公開がことごとく延期になるなど強力なライバルの不在」を指摘している。

 「鬼滅の刃」は漫画家・吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)さんの原作で、人食い鬼のすむ世界を舞台に主人公の少年・竈門炭治郎(かまど・たんじろう)と鬼との戦いを描く物語。オリコンの調査(10〜60代の男女3848人が対象)によると、「鬼滅の刃」を知っている人は97・8%(3764人)に達し、老若男女問わず浸透していることがうかがえる。

https://news.yahoo.co.jp/articles/b3c1a2407f61cee7e9114a126969204d389d2b03
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