0001鉄チーズ烏 ★
2020/11/29(日) 21:18:58.69ID:CAP_USER9https://news.yahoo.co.jp/articles/32e2ee46cfd4b280f7aa871b474151b2bff73699
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大学アメリカンフットボール界の名門が、再び羽ばたこうとしている。関東大学リーグで29日、日本大が優勝し、学生日本一を争う毎日甲子園ボウルに3年ぶりの出場を決めた。悪質タックル問題を起こしてから2年半。チームの愛称「フェニックス(不死鳥)」のように復活し、関西学院大と「あの日」以来の対戦が決まった。
東京都調布市で行われた桜美林大との優勝決定戦は、またしても逆境に追い込まれた。攻撃を組み立てるクオーターバック(QB)の4年生・林大希選手(21)が前半終了間際に負傷交代。1年時から出ているエースを欠き、日大の代名詞のパスが決まらずリードも許していた。だが、臨機応変にラン攻撃に切り替え、後半に突き放して38―14で勝利。橋詰功監督(57)は「いろんな経験をして、逆境を力にできる選手になった」とたたえた。
特に4年生にとっては激動の学生生活だった。2017年12月、甲子園ボウルを27年ぶりに制したが、わずか5カ月で地に落ちた。18年5月、東西の強豪が競い合う関学大との定期戦で、相手QBがパスを投げ終え、無防備となった背中に日大の選手が危険なタックルをしたのだ。勝利のために手段を選ばない部の体質として批判を集め、活動を自粛。公式戦の出場停止処分と1部下位リーグへの降格も決まった。
林選手が「廃人になった」というほど選手たちは打ちのめされたが、体質を改めていく。理論派で知られる立命館大出身の橋詰監督が公募を経て18年9月に就任。指導者への「絶対服従」と量を追求していた日大伝統の猛練習に、同監督が留学先で学んだ米国流の合理性を持ち込んだ。練習メニューは選手が作り、試合中の戦略も選手が状況に応じて変える。処分が解けた19年は1部下位リーグで優勝し、今季から上位リーグに返り咲いた。
新型コロナウイルスの感染が再拡大した今夏、以前との変化を感じさせる場面があった。グラウンドに下級生がマスクをせずに現れると、副将の足立大成選手(22)は練習後に呼びかけた。「1、2、3年生は来年があるかもしれない。でも、俺らにはこの1年しかない。だから本当に4年生からのお願いだから、マスクを徹底しよう」。丁寧に、そして覚悟を示して諭した。日大の他の運動部では集団感染が相次いだが、アメフト部はこれまで感染者を出していない。17年当時は3年生マネジャーで、日大大学院に進んで今もチームに関わる平田航暉さん(23)は「選手主体のチームになった」と語り、その自主性も関東を再び制する原動力になった。
関学大の定期戦は今年5月に再開を予定していたが、コロナの影響で見送られた。12月13日の甲子園ボウルが再戦の舞台となる。林選手は「運命だったのかなと思う。全員フットボールを見せつけたい」と、フェアプレーでの好勝負を誓う。
危険なタックルでけがをした関学大のQB奥野耕世選手(22)は4年生となり、主力として関学大の5年連続となる甲子園ボウル出場に貢献。「ずっと戦いたいと思っていた。最高の舞台で、本気でぶつかりたい」と心待ちにする。東西の雄が、わだかまりを乗り越え、対決の時を迎える。【松本晃、田中将隆】