元NHKアナ・山本浩氏、マラドーナさん「5人抜き」に4度連呼…「1回足りない」
11/27(金) 5:00 サンケイスポーツ
https://news.yahoo.co.jp/articles/70d94d26e9ed6bb44d091eedad5a5e8c72d2e95e
元NHKアナウンサーの山本浩氏(現・法大スポーツ健康学部教授)
https://amd-pctr.c.yimg.jp/r/iwiz-amd/20201127-00000504-sanspo-000-1-view.jpg


 1986年W杯メキシコ大会準々決勝のアルゼンチン−イングランドで誕生したマラドーナさんの「5人抜き」。テレビ中継を担当した元NHKアナウンサー、山本浩氏(67)がドリブルにかぶせて「マラドーナ!」と4度連呼しただけの実況は、もはや伝説だ。スーパースターの訃報を受け、山本氏が当時を振り返った。

 「マラドーナのプレーがすごいだけに、僕は太鼓をたたいただけ。おいしいお刺し身の横にある大葉のようなものです」

 謙遜するのには理由がある。ハーフライン付近でボールを受け、次々と5人をかわしながら約60メートルをドリブルしてのゴール。これに「マラドーナ」と4度連呼したわけだが、「最初にボールをさばいた(相手をかわした)ときに言っていない。1回足りないんです」と苦笑いで明かした。

 マラドーナさんの華麗なプレーの実況は、ドリブルの途中からになってしまったのだ。「まずい、と思うわけです。日本に帰ったら先輩に怒られる」。当時32歳で任された大役には、意外な“失敗”があった。

 「天国でもマラドーナらしく過ごしてほしい。もう一度実況するなら? 同じこと以外言えないですよ」

 あれから34年。名実況が添えられた伝説の「5人抜き」は、これからも語り継がれる。

(おわり)