楽天がデトロイト・タイガースのブランドン・ディクソン内外野手(28、右投左打)を獲得する方向であることが20日、明らかになった。米国のデトロイト・フリー・プレスなど複数のメディアが報じたもの。石井一久GM兼任監督の補強第一弾となる。

 ディクソンは捕手とショート以外の全ポジションをメジャーで守ったことのあるユーティリティプレーヤーで、投手としてもメジャーで4試合3イニング3分の1の登経経験のある異色のプレーヤーだ。

 石井GM兼監督が動いた。打線強化のための新助っ人の獲得である。デトロイト・タイガースは、現地時間の19日(日本時間20日)にディクソンの自由契約を発表。地元紙のデトロイト・フリー・プレスは、その移籍先が楽天であることを伝えた。

 ディクソンは、188センチ、97キロの体格を誇る右打ちのスラッガーで昨年はタイガースで117試合に出場、打率.248、15本、52打点のキャリア最高の数字を残した。
 新型コロナの影響で開幕の遅れた今季は、出塁率の低さと若手の台頭によりタイガースのアクティブロースターに入ることができず、マイナー開催がなかったためシーズンのほとんどをトレドのトレーニング施設で過ごした。9月22日になってようやくメジャーに昇格。わずか5試合の出場にとどまり13打数でヒットは1本だけだったが、それはタイムリー二塁打だった。
 メジャーでワンシーズン15本をマークした一発の魅力と共に、ディクソンの特徴は捕手、ショート以外のポジションは、すべて守れる超ユーティリティープレーヤーであること。117試合に出場した2019年のシーズンは、一塁で61試合、二塁3試合、三塁4試合、レフト26試合、センター1試合、ライト7試合での出場。主に一塁だが、どこでも守れる万能選手だ。また投手としても2018、2019年のメジャーの2年間で4試合、3イニング3分の1を投げた経験がある。
 今季は巨人が阪神との大差負けゲームでブルペンの負担を減らすために野手の増田大輝を登板させて話題になったことがあるが、“二刀流”のディクソンならば、そういう奇策とも言える起用にも十分応えることができるのかもしれない。ディクソンをどこでどう使うかも石井GM兼監督の手腕の見せ所となる。

 楽天は、今季オリックスから獲得したロメロが103試合に出場、打率.272、24本、63打点と活躍した。だが、昨季は33本、95点と結果を残していたブラッシュが不振に陥り、37試合、2本、18打点の数字しか残せず、ブラッシュに代わる新外国人の補強がオフのテーマだった。楽天の今季のチーム本塁打数、チーム打率は、いずれもリーグトップだったが、本塁打数は112本で、ソフトバンクの126本に次ぐ2位。爆発力という点ではソフトバンクにかなわなかった。

 だが、ディクソンの加入で、浅村の32本、ロメロの24本に次ぐ、もう一枚、2桁本塁打を打てる打者が誕生する可能性が出てきた。ディクソンが期待通りの活躍をしてくれれば、まさに来季はパリーグ最強打線誕生する可能性がある。

11/20(金) 4:29
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