もう“ガラスの天才”とは呼ばせない。過去3年間、ケガに泣いた吉川尚輝が、大きな成長を見せている。

「昨年の優勝ではチームに貢献できませんでしたが、今年は貢献できた。今年の優勝は特別。最高です」

 堂々たる活躍ぶりだった。3年連続スタメンを飾った6月19日の阪神との開幕戦(東京ドーム)で決勝の逆転2ラン。打撃不振に陥り、相手の先発の左右によって北村拓己らと併用された時期もあるが、二塁手の一番手、さらに一番打者として地位を確立した。公式戦残り1試合を残した11月13日時点での一番起用は45試合でチーム内では最も多い。今や攻守に欠かせない戦力となっている。

 昨季は「一番・二塁」で開幕スタメンを勝ち取り、11試合で打率.390と打ちまくっていた。しかし、腰痛を悪化させ、戦線離脱。リハビリで残りのシーズンを棒に振り、「1年間、何もチームに貢献していない」と悔しさをにじませた。今季は原辰徳監督から開幕前に「『無事これ名馬』というのも実力のうち。本人がどうクリアしていくか」と課題を与えられ、そのハッパに応えてみせた。

 精神的にも成長している。9月にチームが甲子園から名古屋へバスで移動した際、バスよりも腰への負担が軽いとされる新幹線での移動を自ら申し出た。「(コンディションは)自分が一番分かっているので」と語る吉川尚に、指揮官は「『私は新幹線で行きたい』と前々から言っていたと。その辺の自覚が、大人になってきた」と目を細めた。

 プロ4年目で初めてシーズンを戦い抜いた。たくましくなった若武者が、チーム8年ぶりの日本一まで完走する。

https://news.yahoo.co.jp/articles/b299c7656db9e043fa399882f1db88c4d48ac078
11/13(金) 12:02配信

https://npb.jp/bis/players/73375134.html
成績