2020年9月中間連結決算の最終利益が32億円の赤字に陥ったエイベックスに激震が走っている。5日、同社は音楽事業の一部や間接部門に在籍する40歳以上の社員443人を対象に100人程度の希望退職を募集することを発表。実に4人に1人のリストラを迫る厳しい内容だが、ネット上には疑問の声があふれている。〈役員報酬カットと高給取りの歌手の整理・縮小が先決じゃないの?〉というものだ。

「今回、リストラ対象にされた40歳以上の社員の中にはエイベックスの黎明期を支えた人がたくさんいます。若い頃は夜な夜な楽しい思いもしましたが、休日返上で寝食を忘れて働いた。そんな功労者たちを切る前にやるべきことが山ほどあるはずです」(音楽関係者)

 例えば、現会長の松浦勝人氏は20年3月期に2億7500万円の役員報酬を受け取った。同社社員の平均年収は約700万円。松浦会長が業績不振の責任を取って役員報酬を全額返上すれば、少なくとも40人近い社員たちがクビにならずに済む。

 もうひとつは浜崎あゆみ(42)やTRFといった古株の処遇だ。彼らが長らくエイベックスの業績を牽引し、一時代を築き上げたことに異を唱える人はいないが、今も看板アーティスト扱いされていることに違和感を覚えている人は少なくない。

「今のところ俎上に載せていませんが、莫大なコストや労力をかけている割に、さほど利益を生んでいないアーティストを整理・縮小する必要はいずれ出てくるでしょう。リストラで社員が減ればライブ開催やマネジメントにも支障を来しますからね」(前出の音楽関係者)

 エイベックスは今回の四半期報告書の中で〈事業の内容について重要な変更はない〉とした。具体的な打開策のない状況で人件費を削減するだけでは、社員や株主は不信感を募らせるばかりだ。

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