日本サッカー協会は5日、オーストリア・グラーツで行う国際親善試合のパナマ戦(13日)、メキシコ戦(17日、日本時間18日)に臨む日本代表メンバー24人を発表した。10月のオランダ遠征では入国制限の危惧で招集外だったFW浅野拓磨(25)=セルビア1部・パルチザン=、MF橋本拳人(27)=ロシア1部・ロストフ=が選出。FW大迫勇也(30)=ブレーメン=は所属クラブが定めた帰国後の制限のため、招集外となった。

 かつての教え子が欧州ではい上がる姿に、森保一監督(52)は成長を感じ取っていた。セルビアの強豪・パルチザンで今季公式戦7得点の浅野について、オンライン会見で「チームの中心選手として自覚してプレーしている。代表の戦力になると思って招集しました」。10月は招集を断念したが、入国制限がなかった今遠征へは迷いはなかった。

 森保監督は広島を指揮した13年、爆発的なスピードを持つ高卒ルーキーをJ1デビューさせ、その後も我慢強く起用。力をつけた浅野は、16年にイングランド・プレミアリーグのアーセナルへ移籍した。しかし期限付き移籍したドイツのシュツットガルト、ハノーバーでの計3年間で目立った結果を残せず、昨季からセルビアに活躍の場を求めた。

 今季はFW、両サイドハーフ、トップ下などをこなしながらリーグ3位タイの6ゴール(他にカップ戦で1得点)。他の欧州主要リーグと比較してレベルが落ちるが、今回の招集メンバーでは最多だ。森保ジャパンは1勝1分けだった10月の遠征で、得点はセットプレーからDF植田が奪った1点のみ。大迫不在の今遠征は、得点という結果を出している浅野の招集は必然だった。

 森保監督は浅野の変化を「よりゴールに向かい、得点にこだわりを持ってプレーしている。自分がシュートまでいくどん欲さと、アシスト役にも回る部分もあり、状況を見てプレーできている。2トップ、トップ下、両サイドもやる中で、プレーの幅を広げている」と語る。粗削りなスピードスターから、さまざまな経験を経て進化しつつある浅野。恩師の下で、日本代表の攻撃陣に刺激を与え、欠かせない存在となる可能性は秘めている。(金川 誉)

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11/6(金) 6:00配信