陸上の九電工は2日、長距離選手の久保田和真(27)が10月31日付けで陸上部を退部し、社業に専念することを発表した。事実上の引退となる。

久保田は2012年に熊本・九州学院高から青学大に入学。同年の出雲駅伝では1年生ながらエース区間の3区で区間賞を獲得し、優勝に貢献した。この優勝が青学大にとって学生3大駅伝初優勝だった。

3年時の15年箱根駅伝では1区を担い、駒大の中村匠吾(現富士通で東京五輪マラソン代表)とデッドヒートを演じた末、1秒差の区間2位と好走。勢いに乗った青学大は箱根駅伝初優勝を飾った。

4年時の16年箱根駅伝でも1区を担い、区間賞を獲得。青学大は1区からゴールまでトップを走り続ける完全優勝で連覇を果たした。チームを活気づけた久保田は大会MVPの金栗四三杯を獲得した。4年時の学生3大駅伝ではすべて区間賞の奮闘だった。

「3代目・山の神」と呼ばれたプロランナーの神野大地(27)=セルソース=、ハーフマラソン日本記録保持者の小椋裕介(27)=ヤクルト=ら同期選手と共に青学大の黄金期の中心選手で、現在、学生駅伝界の中心となった母校の隆盛を築いた立役者だった。

16年に青学大を卒業後、九電工に入社。その後は故障に苦しみ、活躍することはできなかったが、青学大時代の存在感は鮮烈で、記憶にも記録にも残るスピードランナーだった。

九電工ホームページを通じて発表した久保田のコメントは以下の通り。

「4年半陸上競技部に在籍しましたが、駅伝に出場することが出来ず、チームに貢献出来なかったことを大変申し訳なく思っています。そんな中でも多くの方々に応援して頂けたことに対して、心より感謝しております。本当にありがとうございました。今後は社業に尽力し、そちらで恩返しできるように邁進いたします。久保田和真」

スポーツ報知 2020.11.2
https://hochi.news/articles/20201102-OHT1T50092.html