中日の吉見一起投手(36)が今季限りで現役を引退する。本人の申し入れを球団が了承。
近く会見を行い、本拠地最終戦となる11月6日のヤクルト戦(ナゴヤドーム)で引退登板に臨む。

 8年ぶりのAクラスへ奮闘を続けるチームの裏で、黄金期後半を支えたエースが大きな決断を下した。
吉見は31日、ナゴヤ球場での練習を終えると、ナゴヤドームを訪れて与田監督に引退を報告。その後、決断に至った思いをこう明かした。

 「中日投手陣の中で競争に勝つことができなかった。若い子が出てきているのは事実。
自分の立ち位置を見ると、ちょっとしんどいのかなというのがあった。次へのステップのためにユニホームを脱ぐことに決めました」

 昨季1勝に終わり、勝負をかけた2020年シーズン。コロナ禍で調整が難しい中、開幕ローテをつかんだ。6月27日の広島戦(ナゴヤドーム)で今季初勝利。
通算90勝目を挙げたが、結果を積み重ねられず、7月5日に2軍落ちした。

 2カ月ぶりの1軍となった9月13日のDeNA戦(横浜)では5回途中2失点。「楽しく投げることができた」と口にした。その後はウエスタン・リーグで登板を重ね、チームで唯一、規定投球回に到達。
5勝3敗、防御率2・77と存在感を示したが、1軍の先発陣も結果を残しており、昇格はならなかった。

 2軍では若手が切磋琢磨(せっさたくま)する姿に刺激を受け、「強くなるだろうな」と話したこともあった。
「体の状態は良いし、投げたい思いはあるけど、いつかはユニホームを脱がないといけない」。思いは引退に傾いていった。

 球団は来季も選手として契約するつもりだったが、本人の意思を尊重して了承。今後は球団を離れ、外から野球を勉強する見込みだが、将来的には中日のユニホームを着たいとの希望も持っている。

 精密機械と称された抜群の制球力で、3年目の2008年から5年連続2桁勝利。11年には最多勝、最優秀防御率、最高勝率の投手3冠に輝き、球団初のリーグ連覇に貢献した。
11月6日のヤクルト戦で最後の雄姿を見せ、15年間の現役生活に別れを告げる。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f68def00fbd349b978543a64c708931db52b44be
11/1(日) 8:09 中日スポーツ