ソニーが7年ぶりに発売する新型家庭用ゲーム機「プレイステーション5(PS5)」に、事前予約が殺到している。大手家電量販店では事前予約の抽選倍率が最高91倍になったところも。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた「巣ごもり需要」を背景に、しばらくは入手困難な状況が続きそうだ。

 ソニーが11月12日に発売するPS5は、ディスクドライブを備えたモデルが4万9980円(税別)、オンラインでのゲームソフトダウンロードにのみ対応する「デジタルエディション」モデルが3万9980円(同)。4K、8Kの高精細映像にも対応し、新型のコントローラーでゲーム内での動きの振動をリアルに感じられるのが売りだ。

 ゲーム機の新発売といえば、発売日の朝、量販店前に客の長い行列ができるのがおなじみの光景だった。だが、量販店は今回、新型コロナの感染予防対策として客が店に殺到しないよう全て予約抽選販売にした。

 ヨドバシカメラは9月19〜23日にホームページ上で予約を受け付けたが、抽選の最終的な倍率はディスクありのモデルで40倍、デジタルエディションは91倍になった。ビックカメラやヤマダ電機などの抽選もいずれも高倍率で、ツイッターでは「また抽選はずれた」「買えない」との声が出ている。

 ゲーム情報メディア「ファミ通」の調査では、2020年1〜6月期の国内家庭用ゲーム機とソフトの売上高は、前年同期比24%増の1748億円。新型コロナの感染拡大に伴う外出自粛でゲーム人気は続いており、既存のファンに新たにゲームに親しんだ層が加わったことで人気に拍車がかかった形だ。

 量販店は、今後も入荷日が確定するごとに予約抽選とする方針で、しばらく高倍率が続く可能性が高い。「ファミ通」グループの林克彦代表は、「ファンにとっては以前より購入が難しくなっているが、需要が供給を上回るのは人気の証しでもあり仕方ない」と話す。林氏自身も複数の量販店の抽選に応募したが、「ハズレ」が続いているという。【加藤美穂子】

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