作家の室井佑月氏は、学術会議問題についてある新聞社からインタビューの依頼を受けたという。

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 日本学術会議が推薦した会員候補6人を菅義偉首相が任命しなかった問題について、仏・ルモンド紙は「日本の菅首相、知の世界と戦争状態」と書いた。ほかにも海外の大学や科学雑誌なども、次々と日本への懸念を表明している。

 これが普通の感覚だよね。この国の学者の研究が中国に利用されているとか、国から不当に学者個人にお金が出てるとか、任命されなかった学者とはまったく関係ないデマを流してまでも、必死で政権擁護をしている人たちがいるけど。

 あたしにいわせれば、政治が学問に口を出すって相当に野蛮なこと。そんなん、当たり前のことじゃんか。

 それに排除された学者は安保法制や「共謀罪」法に反対した人であるというから、こうした人たちを排除したいとは、この国がきな臭い方向に進んでいるんじゃないかと不安にもなる。戦争ができる普通の国にしたい、ってやつだ。

 でも、こういうことをいうと、おまえの妄想だろう、といわれてしまう。妄想が妄想でなくなったとき、そんなことはいっていられないんだけどね。

 そして、この件についてある新聞社からインタビュー取材がきた。一度断ったが、翌日もお願いされた。なぜ、あたし? あたしは「あり得ない」の一言しかいえない。

 というか1983年、内閣法制局は学術会議に関する文書に、首相の任命は「形式的任命である」と明確に記している。当時の中曽根康弘首相も「政府が行うのは形式的任命にすぎません」と国会で答弁した。

 つまり変わったのは、日本政府なのだ。あたしに物事の印象を聞くのではなく、なぜ変わったのか政府に問いただすのがスジではないか?

 それに10月3日、あれほど批判されているオフレコ懇談会へ、この新聞社は出向いた。出席しないと、菅首相が怖いからだろう。自分たち会社が怖いと感じることを、なぜ個人にさせようとするのだ、という意地悪な気持ちにもなった。

全文はソース元で
https://news.yahoo.co.jp/articles/e495877e380344d22865227de3d415e3fc7a1329
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