2020年10月21日 水曜日
宮城

 サッカーJ1仙台は20日、MF道渕諒平選手(26)=仙台市出身=との契約を解除した。知人女性への暴行を報じた同日発売の週刊誌の内容に、クラブ側が把握していない事実があり、秩序や風紀を著しく乱したとしている。運営するベガルタ仙台(仙台市)の菊池秀逸社長は記者会見で「ご迷惑とご心配を掛けたことを深くおわびしたい」と謝罪した。経営陣の処分は、今後検討する意向を示している。

 関係者によると、道渕選手は昨年から今年8月にかけて、交際していた20代の女性に対し、首を絞めたり、頭を踏みつけたりするなどの暴力を振るっていた。

 クラブは女性とのトラブルを8月14日に把握し、事情聴取した。9月5日に、道渕選手から双方合意の上で解決したとの報告を受け、「二度と同様の行為をしない」とする誓約書を提出させた。

 同7日には、道渕選手の弁護士から「逮捕状を執行されたがすぐに釈放された」という連絡を受けたが、示談が成立していることを理由に試合への復帰を認め、20日からは試合に出場していた。

 クラブは「両者のプライバシーに配慮した」ため公表を控えたと説明。しかし、週刊誌に道渕選手が自殺をほのめかし、女性を脅すような写真が掲載されるなど、当初の事実確認と異なる内容だったため契約解除した。道渕選手は「大変申し訳ございませんでした」と謝罪したという。

 道渕選手は甲府(当時J1)に所属していた2017年7月にも知人女性への暴行の疑いで逮捕された。不起訴処分となり、クラブから公式戦出場停止や減俸の処分を受けていた。

 道渕選手は仙台の下部組織から明大を経て、19年に仙台に加入。今季は主力としてリーグ戦13試合に出場。通算成績はリーグ戦38試合、6得点。

https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/202010/20201021_14011.html