巨人は19日、岩隈久志(39)が今季限りで現役を引退すると発表した。

 2017年秋に受けた右肩手術の影響でリハビリ生活が続いた。翌18年オフ、多くの関係者が右肩の状態を不安視する中、自身が指揮を執った09年WBCメンバーを特別視する原辰徳監督(62)が、当時37歳だった岩隈を招き入れた。しかし案の定、右肩痛は癒えず、2年間で一軍登板はゼロだった。

 昨季の年俸は5000万円で今季は2000万円。ファームの若手への指導や人間性に対する評価は高いものの、費用対効果は最悪だった。

 その原監督は1カ月前、「明日はCC(メルセデス)が先発で投げられないということで、本来なら『岩隈』と言いたいところだけど、なかなかホトトギスは鳴かないよ。鳴くまで待っているんだけど」と唐突に岩隈の名前を出したことがあった。あるいは、この時すでに岩隈の運命は決まっていたのかもしれない。

 堀越高から1999年ドラフト5位で近鉄に入団。開幕投手を務めた04年は開幕12連勝をマークし、15勝2敗で最多勝に輝いた。今季、開幕投手を務めた菅野が13連勝で塗り替えるまで、これはプロ野球記録だった。05年からは新球団の楽天でエースとして08年には21勝4敗、防御率1・87で最多勝、最優秀防御率、沢村賞を受賞。09年にはWBC日本代表として原監督のもとで世界一に輝き、ベストナインにも選ばれた。

 海外FA権を行使し、12年から米大リーグのマリナーズで63勝。日米通算170勝だった。

「実績を考慮されて『引退』という形になったが、大塚球団副代表が『13、14人を切る』と明かしている球団方針からすれば、事実上の戦力外なのは間違いない。ついに巨人のリストラが始まったということです」(球界関係者)

 華々しい経歴の続きが巨人で更新されることはなく、無念の引退となった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/1a1585ffba2e29fd8a02f77ceaa826d5f92a0f36
10/20(火) 11:10配信