10/12(月) 8:56
日刊ゲンダイDIGITAL

モンキッキーさん お金がなくて夜通し歩いた経験が書道に生きている【役者・芸人「貧乏物語」】
自身の作品の前に立つモンキッキーさん(C)浅井企画
【役者・芸人「貧乏物語」】

 モンキッキーさん(52)

 お笑いコンビ「アニマル梯団」でデビュー、ピンとしては筋肉芸人や書家として幅広く活動するモンキッキーさん(52)。貧乏時代の経験を書道に生かしたバイタリティーあふれる経歴を、妻・山川恵里佳さんの支えとあわせて語ってもらった……。

【写真】絵画と書道の融合…モンキッキーさんの作品

 ◇  ◇  ◇

 若手の頃は、その日その日のお金がなかったです。アニマル梯団の相方のコアラくんと、八王子の同じアパートで別々の部屋に住んでいて、「今日も金ないし、どうする?」「歩くか」と話をして、とりあえず外に出て2人で歩くんです。八王子のにぎやかな街中を7、8時間歩く間、目についた物、店、通り過ぎる人についてずーっとしゃべってるんですよ。歩き疲れて朝方帰って寝る。お金のことを忘れるために夜通し歩いて時間を潰してましたね。

 子供の頃から書道をやっていたので、散歩中に店の看板が目に入ると文字が気になり、「この看板の文字は俺が書いたらこういう字体にするな」とよく言ってました。それが今、書道に生かされてるし、歩き続けて健脚になったことがスポーツマン芸能人の「SASUKE」に生きてますよ。

 メシは、相方がスーパーに勤めてたから、売れ残りの野菜を少しもらってきてくれて、「焼き肉やろう!」と。肉はないから紙に「肉」と書いて、野菜と一緒に網で焼いたりして。「肉は焼けるの早いなあ、紙だから」と2人で笑ってましたよ。食べませんでしたけど、「肉」も習字でバシッと書いてました。それも今の書道に生きてます(笑い)。

 家庭教師もしていました。教えてると、どうしても教え子の字が気になっちゃって。何の教科でも正解かどうかより「この字、もっとしっかり書こう」と、字の書き方ばかり教えてました。結果的にその子はクラス一番の美文字になりました。その後、志望の学校に受かったかはわかりませんけど(笑い)。

 目黒雅叙園の電気の基礎工事の仕事もしました。だから近年、雅叙園の前を親子で通った時は「ここはパパが造ったんだよ」と自慢してました。

 金のない時代、忘れもしません。後輩のキャイ〜ンの天野(ひろゆき)くんが競馬をやっていて「ヒシアマゾン、絶対くるから馬券買った方がいい! 巨額な富を築ける」と言ったんですよ。僕は競馬はやらないけど、「よし、わかった」とすぐ銀行で全財産の5万円を下ろして1点買いしましたよ。

 新宿だったか、人だかりのある、ビルの前のオーロラビジョンの競馬中継を見上げて、ヒシアマゾンが勝ち、天野くんと抱き合って喜んだんですけど、後で聞いたら1・1倍か1・2倍で5万が5万5000円か6万円くらいになっただけ! 道行く周りの人からはウン百万当たったと思われるくらい喜んだのに。あの1点買いを外してたら僕、田舎に帰ってたと思います。

■「お金のことは任せて」と妻に言われて

 書道の先生だった母親のもとで、4歳からやっていた書道を本格的にやりたいと思っていたところに、書道の専門誌の連載が始まったんです。僕が書道を一から始める企画で今から12年くらい前です。

 芸能人の美文字大会の企画で連覇した時は奇麗な字を書くことだけを考えてましたけど、連載の時についてくださった松川昌弘先生に教わり、僕自身の字は「奇麗かどうかより、字から何かを感じさせたかどうかが重要だ」と気づきましたね。美文字は1つの武器ですけど、何かが伝わるかどうか、と。賞を毎年とっていくと字は深いと思ったし、「俺って字が好きなんだな」とあらためて思いました。

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全文はソース元で
https://news.yahoo.co.jp/articles/b35087586a02f25baf9409220316081b62522072