ノーベル文学賞受賞が期待されていた村上春樹さんのファンや同級生は8日夜、残念な結果に落胆する一方、「来年も頑張ろう」と前向きな声も聞こえた。

村上さんの作品に登場する神戸市のピザ店「ピノッキオ」では、ファンら11人が発表を見守った。受賞を逃したと分かると「来年も頑張ろう」と拍手が起こり、シャンパングラスで乾杯した。
 毎年訪れるという同市垂水区の学習塾経営井沢督二さん(82)は「そろそろ快哉(かいさい)(を叫ぶの)を聞きたい。オーナーの笑顔を見たかったが、来年に期待します」とにこやかに語った。
 村上さんが通った兵庫県芦屋市立精道中の同窓生で写真館経営の久津那謙さん(71)は発表の瞬間、「新校舎や」とつぶやいた。共に学んだ校舎は建て替え予定で、学びやで受賞結果を待つのは今年が最後といい、残念がった。
 西宮市立香櫨園小で同級生だった頭井治男さんは「残念だが、いずれ受賞すると思うので楽しみにしている」と期待を込めた。
 東京都新宿区の紀伊国屋書店新宿本店にもファンら約10人が集まった。津市から訪れた会社員増井孝充さん(52)は「今年こそはと思っていたのですごくショックだ」と肩を落とした。

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