九九程度のことを凄いと思い込んだまま一生を終える焼き豚おじいちゃん

高等数学をスイスイ解いている若者を見て
「アイツらは何も考えずに思いつきで動いとるだけじゃ、ワシらは知的じゃのう、ヒャッヒャッ」



…たとえば「岡田メソッド」では選手が直接ボールに関与する範囲を「第1エリア」、直接、かつ間接的にも関与する範囲を「第2エリア」と区分して定義しています。

「いま実際にハーフタイムで伝えたのは『アンカーが2人とも第2エリアにいるから
トップへのパスコースが閉じられている。
センターバックが持ったらアンカーの1人は怖がらずに第1エリアに入って(1)の
サポートをしろ。センターバックはパスを出したら、すぐにブラッシングで
ボールを受けて前にフィードをしろ』と」

「(1)のサポート」というのは「ボール保持者がプレスを受けていて助けてやらなければ
いけない緊急のサポート」と定義しています。
また、「ブラッシング」は「パスを出した方向に動くパス交換」と定義しています。
どうすればいいかが明確になっています。

「ブラッシング」は新しくつくった言葉ですよね。
「いつも例に出すんだけど、『クサビのパスってどういうの?』って聞いたら、
みんな解釈が違う。あれもクサビ、これもクサビって。今ある言葉を使ってしまったら、
みんなバラバラのイメージを持ってしまう。
そうさせないために新しい言葉にしてしまおうと。

FC今治は“海賊の末裔が大海原へ出ていく”というブランディングだから、新しい
言葉はなるべく海にかかわるものにした。シャンク(錨の柄)、ウエーブ(波)、
キャスティング(投げ釣り)、いろいろとある」

――これまで今治の育成組織で「岡田メソッド」を落とし込んできたわけですが、
 子供たちに聞き慣れないサッカー用語を植え付けていくのは大変だったのでは?

「いやいや全然。座学で覚えるんじゃないから。練習のなかで伝えていくし、
意味が限定されていくから逆にすぐ覚えていった。
メソッドを落とし込むと、変化は子供たちのほうが早くでるけど、大人でも変わる。
実際テストをしてきて、それは凄く感じている」