■「まずまず」評価は3人、「悪い」の評価を受けたのは…
 バイエルンの優勝でUEFAチャンピオンズリーグが幕を閉じたなか、海外メディアが2019-20シーズンにスペインでプレーした日本人プレーヤー7人を査定した。「すべてが悪化」と評された選手もいれば、「メディアから高い評価」と賛辞を送られた選手など、明暗がくっきりと分かれている。

 コロナ禍に見舞われた2019-20シーズンの欧州リーグで、多くの日本人プレーヤーたちが激しい競争のなかでしのぎを削った。ブラジルメディア「グローボ・エスポルチ」はスペインで戦った7人の日本人に注目し、シーズン査定を行っている。

「まずまず」の評価を受けたのは、MF乾貴士(1部エイバル)、MF香川真司(2部サラゴサ)、MF安部裕葵(3部バルセロナB)の3人だ。スペインで5シーズン目を戦った乾は29試合(2ゴール)とコンスタントに出場し、「クラブが降格から逃れるのを助けた」と称賛されている。

 また、スペイン初挑戦コンビも上々の1年目を過ごした。「その才能が違いをもたらしたが、絶対的な先発メンバーではなかった」と評された香川。2部リーグ戦で31試合4ゴールは飛び抜けた成績ではないものの、1部昇格プレーオフ準決勝で存在感を放ち、改めて存在感を示した。また2月に右太腿二頭筋断裂で離脱した安部は、それまで20試合4ゴールの活躍を見せ、「左ウイングで、しばしば偽9番として起用された」と一定の評価を受けている。

 その一方、苦戦を強いられた1人がMF柴崎岳(2部デポルティボ)で、「悪い」のシーズン査定を受けた。怪我もありながらリーグ戦26試合に出場したが本領を発揮したとは言えず、「すべてが悪化していくのを見た」と記されている。最低評価を受けたのはGK山口瑠伊(2部エストレマドゥーラ→レクレアティボ・ウエルバ)だ。念願のスペインデビューを飾るも、リーグ戦出場はこの1試合にとどまり、「再び声が掛かることはなかった」と触れている。

■結果を残した日本人コンビに高評価 「期待されていたゴールを決めた」
 スペインで戦った日本人選手7人の中で、「良い」の高評価を受けたのはFW岡崎慎司(2部ウエスカ)とMF久保建英(1部マジョルカ→ビジャレアル)だ。

 昨夏にマラガへ加入した岡崎だが、リーグが定めるチーム総額年俸を超過していた影響で登録ができずに契約解除。ウエスカに緊急加入したなか、37試合12ゴールを叩き出して1部昇格に貢献した。「プレシーズンを戦わなかったにもかかわらず、岡崎はすぐにストライカーとして先発の座をつかみ、期待されていたゴールを決めた。日本人はチームの最多得点者であり、ウエスカの主要人物だった」と称賛されている。

 そして、スペイン紙で「クボマニア」の特集が組まれるなど脚光を浴びたのが久保だ。レアル・マドリードから期限付き移籍でマジョルカに加入し、35試合4ゴール4アシストと目に見える結果を残した。

 記事では「日本サッカーの宝石」と称されており、「彼のパフォーマンスは、とりわけコロナ禍での中断後、メディアから高い評価を受けた。試合で敗北が続いたにも関わらず、いくつかの場面で彼のプレーがチームのハイライトだった」と賛辞を送っている。

 明暗が分かれた7人の日本人プレーヤーだが、新シーズンはどんなプレーを見せてくれるのか注目が集まる。


フットボールゾーン 2020.8.26
https://www.football-zone.net/archives/279721