新型コロナウイルス感染拡大の影響で国内外の経済活動が停滞を続ける中、8月17日に内閣府が2020年4〜6月期の実質国内総生産(GDP)の速報値を発表。
前期比年率で27.8%減と、GDP統計をさかのぼれる1955年以降で最大の落ち込みとなったことが明らかになった。

その影響はテレビ業界にも及んでいる。

8月7日の読売新聞では在京民放キー局5社の4〜6月期連結決算が出そろったと報道。
コロナの影響で広告収入の大幅減少に加え、イベントの中止が相次いだことでテレビ東京ホールディングス(HD)を除く4社の最終利益が減少。

最終利益の落ち込みが最大だったのはフジ・メディアHDで、前年同期比90.6%減の20億円。
日本テレビHDは81.7%減の15億円で、イベントの中止など、コロナ関連で約30億円の特別損失を計上したことが響いたと同紙では報じている。

「YouTubeや、Netflixなどの動画配信サービスの台頭で、テレビの存在感が弱まりつつある中、さらにコロナ禍の影響でテレビ業界は絶望的な危機に直面。
ただ、これほどまで利益が落ち込むというのはフジテレビ、日本テレビにしてみたら“想定以上”の衝撃だったのではないでしょうか。

渦中のフジテレビは『直撃LIVE グッディ!』を打ち切り、『バイキング』の放送枠を1時間拡大させることを発表したほか、
21年間続く朝の情報番組『とくダネ!』を来年3月に終了させる見込みです。

そういった抜本的な大改革を断行しないとならない状況にあり、『ノンストップ!』も来年には打ち切りになるのではといった話も聞こえてきています。
おそらく他にも終わる番組が相次ぐのではないでしょうか」(制作会社関係者)

テレビ朝日では深夜帯に放送されている『しくじり先生 俺みたいになるな!!』や、さまぁ〜ずの冠番組『さまぁ〜ず×さまぁ〜ず』、
くりぃむしちゅーがMCを務める『くりぃむナンチャラ』といった番組を、ほぼすべて終了させて“リセット”し、20分程度の短い番組を多数連続して放送する、大改編を行う予定だという報道もある。

しかも、その20分番組の1本あたりの制作費は、出演者のギャラなどすべて含めて驚異の50万円だとか……。

「テレビ朝日がさまぁ〜ず、くりぃむしちゅーのの事務所サイドに番組の終了の話を持っていったところ、“いやいやいや、ちょっと待ってください”という反応だったといいます。
“若手ならともかく、まさかこのクラスでも打ち切りに!?”といった衝撃があったのではないでしょうか。

どうやら両者の番組は形を変え続くことになりそうですが、ただ、テレビ朝日としてもさまぁ〜ずやくりぃむしちゅーという局の功労者、
お笑い界のビッグネームの番組にすら手をつけるような、切羽詰まった状況に直面しているということでしょう。

TBSでも爆笑問題がMCを務める『爆報!THEフライデー』が来春にも終了するとも聞こえてきています。
同番組は若年層の個人視聴率が望めず、主にシニア層が見ている番組ですからね。

民放キー局ディレクターは話す。

「視聴率低迷にあえぐフジテレビと違い、視聴率3冠王の常連で10年ほど前から若者向けの番組しか作らないという方針を取っていた日本テレビですら、
コロナ不況でこの状況ですからね。日本テレビも今後、抜本的な改革を進めることになるといいます。その中でも驚きなのは、長期間続く番組において、
“メインMCを張っている人以外は全部切る”という方針だそうですよ。

というのも、制作体制の見直しがあったここ10年ほどで立ち上げた番組と、それ以前から続く老舗番組だと、後者の制作費のほうが倍近く高いそうなんですよ。
実は、他局は数年前からそういった老舗番組をどんどん終わらせてきたんですが、日本テレビにはそういった番組がまだまだたくさん残っているんです。

そういった番組出演者の中には若年層の視聴率は見込めないのに、ギャラは高額という人がたくさんいる。
メインMCは“番組の顔“なので、クビにしたら番組自体が終わるので残すのでしょうが、それ以外のタレントはすべてクビになるのではないか、ともささやかれているほどです」
https://taishu.jp/articles/-/76846?page=1