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 現在、「第七世代」と呼ばれる若手芸人が活躍中だが、安定したパフォーマンスでテレビ番組に露出し続けている「中堅芸人」も何人かいる。その代表的な存在が、バイきんぐ・小峠英二だ。

 最近は、その手腕が称賛されることも少なくない。たとえば、『あちこちオードリー〜春日の店あいてますよ?〜』(テレビ東京系)では、今年2月に陣内智則とともにゲスト出演し、若林正恭からも番組MCの隣でうまく立ち回る“MC横芸人”として絶賛されていた。

 業界関係者の間でも、すでに実力を認められている小峠だが、具体的にはどんなところに魅力があるのだろうか。まず小峠の特徴として誰もが評価するところは、どんな先輩芸人やタレントとも絡める芸風だろう。

「○○じゃねぇかよ!」「○○なんだよ、この野郎!」といったツッコミは、バラエティ番組における見せどころであると同時に、いかなる状況においても笑いがとれる保険的な役割をも担っている。

 視聴者は小峠に対して、コントで演じている「なんて日だ!」という決め台詞のような強いツッコミがイメージにある。そのため、少々乱暴な言葉遣いでも不快感がない。

『有田ジェネレーション』(TBS系)では若手芸人の不器用な立ち振る舞いにツッコミを入れて笑いをとる一方、『水曜日のダウンタウン』(TBS系)ではプレゼンターとして、“レジェンド芸人”松本人志のイジりに対しても的確なツッコミで笑いをとれる。まさに打てば響くツッコミ職人なのだ。

 明石家さんま、くりぃむしちゅー、有吉弘行といった先輩芸人からVチューバーに至るまでどんな共演者とでも絡める柔軟さ。さらにはスキンヘッドの特徴的なルックスの印象も影響しているのか、小峠は高齢者からも慕われている。

 不定期で放送されているローカル番組『バカリズム&小峠の僕らも福岡芸人だ!』(テレビ西日本制作)では、同じ福岡県出身のバカリズムと“街ブラ”のロケをしているのにもかかわらず、いつも小峠だけが握手を求められる。そのことでバカリズムが「だから、嫌なんだよ」と、たびたびぼやく姿が印象的だ。

 見る者は、なぜか「小峠なら受け入れてくれる」という安心感を持っている。いわば“次世代の笑福亭鶴瓶”とも言える存在なのだ。
中略

小峠の魅力は多々あるが、その根底となっている芸人魂はどこからきているのか。私は、事務所の先輩でもあった伝説のツッコミ職人、故・村田渚の存在が大きかったのではないかと考えている。
小峠は、村田を尊敬していた。それは、小峠のブログに掲載された村田に対する追悼記事(2006年11月28日付)を見ても明らかだ。初めて村田のツッコミを見た小峠は、「何やあの“間”の取り方は!?」と衝撃を受けた。それから、村田に積極的に話しかけるようになり、「何で渚さんはあんなにおもろいやろう」と、風呂に入りながらでも考えるようになったという。連絡先を交換し、よく飲みに行くようになると、2人はお笑いの話ばかりしていた。
中略

村田の訃報を受け、小峠はある決意を固める。
「少しでもあの人に近づけるよう、もっともっとやらんと。好きくらいじゃアカンわ。狂わんと」これを書いた約6年後、小峠は「キングオブコント2012」で優勝を果たした。以降、小峠はテレビでブレイクし、誰もが認める人気者となった。小峠の魅力に共通するのは“異常なまでのまっすぐさ”だが、その魅力をお笑い芸人の力として開花させたのは、村田渚という存在だったのではないだろうか。

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