8/2(日) 5:30配信
スポニチアネックス

<神・D>5回、左越えに勝ち越しの2点本塁打を放つ佐野(撮影・成瀬 徹) 

 ◇セ・リーグ DeNA7―3阪神(2020年8月1日 甲子園)

 行け、行け――。三塁ベンチでDeNAナインが声を上げた。ラミレス監督も手を回している。ただ、佐野は冷静だった。左前への打球で一塁を回ったところでストップした。

 「二塁打でサイクルは分かってたけど、打球的にさすがに二塁はアウトになると…。もっと足が速ければ狙ったかもしれない」

 悔しさなどみじんもなかった。3回の右翼線三塁打に始まり、同点の5回には左翼ポールを直撃する決勝5号2ランを放った。逆方向への一撃に「コンパクトなスイングで捉えられた」。7回に右前打し、迎えた9回は逆方向へ。ラミレス監督が「打った瞬間は(二塁まで)行けるかと期待したけど、見たら一塁ベースでスローダウンしてたね」と振り返る左前打だった。

 それでも、4打数4安打で2打点。レイズへ移籍した筒香の後継者は「1号」こそ、12球団の開幕4番で最も遅かったが、ここ10試合で5発、打率もリーグ2位の・355とした。絶好調の要因は謙虚さにある。「これまでの野球人生、本塁打を狙うと打撃の感覚がずれてよくない結果が多かった」。練習から丁寧に自分のスイングを心掛ける。明大で魂を磨かれ、16年ドラフト9位で入団した男の姿がそこにあった。

 8月1日は1924年に竣工(しゅんこう)式が行われた「甲子園の誕生日」。その日に、広陵時代も甲子園出場がなかった佐野が同球場初アーチをかけた。「高校時代から憧れていたし、甲子園でホームランを打ててよかった」。チームも甲子園では初の5本塁打で、引き分けを挟む3連勝で貯金は1。4番のバットが謙虚に、チームを上昇気流へ乗せた。(秋村 誠人)

 ≪1試合5本塁打以上は38年ぶり4度目≫DeNAの1試合5本塁打以上は昨年6月28日広島戦(横浜=5本)以来だが、阪神戦では82年5月25日(横浜)以来38年ぶり4度目で、甲子園では初だ。なお、球団記録は74年の8本塁打。

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